生徒会役員とのギャンブル・トーナメントに勝ち抜けろ = 河本ほむら・尚村透「賭ケグルイ」3~6(ガンガンコミックスJOKER)

2020年3月14日土曜日

賭ケグルイ

t f B! P L

日本の政財界の有力者の子弟が通学する「百花王学園」を舞台に、学園の統率・支配をめぐって、ギャンブルによる大バトルが繰り広げられるのがこの「賭ケグルイ」シリーズ。一見可憐なイメージながら、実はとんでもないギャンブラーの蛇食夢子を中心にして、彼女が転校当初のギャンブル勝負で負けた後仲間となった、ヤンキー娘・早乙女芽亜里、ギャンブルの才能がほとんどない不運な男子生徒・鈴井を加えた三人が、日本の支配階級の総元締の一族の代表っぽい、冷徹な美少女・桃喰綺羅莉が率いる生徒会に挑んでいくストーリー。


第1巻では、転校してきた蛇喰夢子が芽亜里との勝負で勝利し、さらには、日本有数の玩具メーカーのお嬢様で「生徒会」の役員の一人・皇伊月をカード勝負で打ち負かしたのだが、その後、生徒会の役員の一人で伝統文化研究会会長の西洞院との勝負に、桃喰の仕掛けたトリックで敗北し、大借金を負ったまで。そして、続く第2巻で、生徒会が夢子の実力を試すために仕掛けた「債務返済大会」の勝負で芽亜里と組んで見事勝利し、借金を返済しても余るほどの大金を得たところまでが描かれていたのだが、この後の第3巻から第6巻では、生徒会を脅かす実力を持つ夢子を潰すため挑んでくる生徒会の役員たちとの勝負が始まります。


【あらすじと注目ポイント】


第3巻から第6巻までは、生徒会の役員である生志摩妄、夢見 ユメミ、豆生田、清香との対決のステージです。破滅希望者、現役アイドル、冷静・怜悧な秀才、中学生で高校生模試一番をとる学力天才という特徴ありすぎるメンバーを相手に、蛇喰夢子の「お気楽」であっけらかんとしたギャンブルの才能が如何なく発揮させる展開となってます。


第3巻では、まず第2巻の「債務返済大会」の結果、夢子は自分の借金を返済するだけの賞金を手にすることになるのですが、借金を返済することなく「家畜」のままとどまると言い出します。そのわけというのが、ギャンブル狂の彼女らしい

  だって、この身分(家畜)には特典があるのでしょう?

  公式戦という特典が

という理由ですが、これが第5巻で活きてくることになりますね。


 ギャンブル勝負のほうは、皇伊月、西洞院の後、生徒会の次の刺客として美化委員長の「生志摩妄」が名乗りを上げます。眼帯をした、狂気のほとばしりも感じさせる女の子ですが、彼女が左目を失った経緯も、この巻で明らかになりますね


 そして、争うゲームは「ESPゲーム」というもので、別室に隔離された鈴井が並べる「ESPカード」の順番を、モニター越に推理するというものです。そして、当てたほうがが、双方が弾を込めた銃のどちらかを選び、その銃で当てられなかった方へロシアンルーレットの引き金をひく、というものなのですが、「妄」は自滅歓迎で勝負に臨んでいるので、ここは夢子が自分への被害を防御しながら、いかにして「妄」への攻撃をせずにすますことができるか、という難題に直面します。


 ESPゲームに仕込まれた「イカサマ」を見抜きながら、この難題を解決する「夢子」のクールな推理力と判断力は見事ですな。


第4巻の対戦相手は、アイドルの「夢見弖ユメミ」。


彼女は本当はアカデミー賞のレッドカーペットを歩くような女優になりたいのだが、その踏み台としてアイドルをやっているという設定ですね、そのせいか、アイドルオタクは

  夢のためなら屁でもないわ

  このくらい平気でこなせなきゃ、とても達成できないもの

といった感じで、本当は「大ーっキライ」なのだが、将来の夢のためにうまく利用しつくしてやろうという結構、ゲスなアイドルではあります。ただ人気のためにそれは秘密にしてあるという筋立てで、これが夢子がユメミを、自分に有利な勝負に持ち込んでいくネタになってしまいますね。


 勝負の方法は「一流アイドル決定戦」ということで「歌」やら「ババ抜きゲーム」などですが、一見、アイドルたちのお気楽なゲームっぽく進行するのですが、実は虚々実々のかけひきが繰り広げられていて、ユメミが「私はこのゲームにわざと負ける」と夢子を嵌めようとするのですが、それを逆手にとった最後のファンの誕生日を当てあうゲームで見せる夢子のフェイクの打ち方はあざといですね。


 ちなみに、ユメミがファンをディスる録音は公開されてしまうのですが、アイドルオタクは偉大だった、ってな展開で大団円となりますな。


続く第5巻は、冷静でシニカルな生徒会副会長の「豆生田」です。彼はこういうタイプにありがちな「上昇志向」丸出しの人物で、会長の「桃喰綺羅莉」が留守の間に、その地位を奪おうと策を巡らすという設定ですね。ただ、彼の目論見を崩すのが、やはり蛇喰夢子で、彼女との「選択ポーカー」の勝負に引き込まれてしまいます。


 もっとも、彼はこの勝負を嫌がっていたのですが、夢子の策略にはめられてしまいますね。


そして、彼の勝負スタイルは、けして冒険をしない「ただ ひたすら王道をいく」というスタイルなのですが、皇伊月を巻き込んで勝負をかけてくる夢子の「技」に虚をつかれることになります。


そして、第6巻は生徒会の役員勝負で殿(しんがり)をつとめるのは、桃喰綺羅莉の書紀を務める「五十嵐清香」です。彼女は、中学生のときに高校模試で全国一番の成績をとるといった秀才です。彼女は桃喰が夢子に興味をもちはじめ、学園が崩壊していくのが我慢がならず、夢子に勝負を挑んだ、という設定ですね、


その勝負は、桃喰綺羅莉が建設した「扉の塔」の最上階から1階まで降りて、再び最上階へ登ってくる速度を競う、という勝負です。


この塔には登ってきた階段が時間が経過すると壁ができていて入れない、などの謎があるのですが、これを二人のうちどちらが先に解き明かすか、が勝負の分かれ目になりますね。少々ネタバレすると、秀才で論理的な清香は、破天荒な「夢子」にかなわない、という展開ですね。まあ、最後のところは清香の命を賭けた「負け」の精算が効いて、彼女の想いが桃喰綺羅莉に届いて、専属秘書に昇格することになるで、そこは大団円ということでようか。


【レビュアーからひと言】


第5巻で、最初のほうで、高慢な悪役キャラであった、皇伊月が妙に可愛らしいキャラに生まれ変わります。夢子の負けたため、生徒会をクビになったことが影響しているのかもしれません。


本質のところでは、生徒会長になって学園を牛耳って、最後は父親の会社を継ぐための布石とするのが目的なのですが、破れさった豆生田に敬意を示したり、後の巻でも健気な行動が出てきますので、一挙に「注目キャラ」となった感じですね。 

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