無礼な「グルメサイト投稿者」を抹殺したのは誰? ー 東村アキコ「美食探偵 明智五郎 2」

2020年4月17日金曜日

東村アキコ

t f B! P L

 イケメンながら妙なデザインのジャケットと時代遅れのループタイを見につけ、美食家ではあるが、普段の昼食がデリバリーの弁当という探偵「明智五郎」が、行きつけのデリバリー弁当屋の若いオーナー「小林苺」とともに、明智が生み出してしまった「殺人狂」マグダラのマリアの犯行に挑む「美食探偵」シリーズの第2弾。

前巻で、今まで平凡な主婦であった女性を殺人狂・マグダラのマリアに返信させてしまった、明智であったのだが、そのマリアが指導するフレンチレストランでの殺人事件の謎の解決に挑むのが今巻。


【あらすじと注目ポイント】

まずは、最近流行のグルメサイトに投稿している「ぐるめ侍」という男の登場からスタート。立ち食い形式のフランスレストランや、フランスのビストロの風情のあるフレンチレストランで写真を連写しているのだが、料理を愉しんでいる気配なほとんどないですね。

で、そんな男がパンを喉につめらせて窒息死する、というのが今回の事件。

事件の起きた店のシェフによるとシェフやギャルソンが背中を叩いたり、水を飲まそうとしても効果がなく、死んでしまったという顛末です。普通に考えれば、事故死と思うところなのだが、明智五郎は、死んだ男の正体が、あちこちのレストランの悪評ばかりをグルメサイトに投稿している「ぐるめ侍」なのでは、と気づき、さらには、店の人が行った救命措置で、水を飲まそうとしていたグラスが落ちても「割れない」ものであったことに気づくところから、殺人事件としての可能性が急浮上してきます。

そして、なんとこのシェフのフランス修行時代、同じくフランスのルーブル美術館で絵画を見るために旅行してきていた、あの「マグダラのマリア」が、彼の修行していたビストロで食事をしたことがきっかけで、二人は旧来の友人となっていて・・・、ということで、「計画殺人」の線が濃厚になってくる、といった仕立てですね。

ここで犯行の証拠探しで大活躍するのが、「小林苺」で、彼女は無農薬野菜の販売サイトの配達員といった扮装までさせられて、フランス料理店への潜入や証拠品探しのためにゴミあらしまでさせられてしまうことになるのですが、詳しいところは本書のほうで。

全体を通して言えることは、明智五郎の生み出した「稀代の殺人鬼」がいよいよ本格稼働というところです。この巻で第一巻の「林檎」に続いて、二人目の「マグダラ・マリア」の協力者が生まれることになります。


【レビュアーから一言】

このレストランのシェフは、本場のフランスのビストロで料理修行してきた人物で、その料理は無名ながら絶品なのですが、これが悪意に満ちた「グルメサイト投稿者」によって悪評をたてられたために・・・、という「グルメサイト」への継承でもあります。
美味そうな料理を目の前にした場合は、「苺」の「アタシ、食ってうまいかまずいかしか興味ないんで」という態度が一番の正解なのかもしれません。

このブログを検索

ブログ アーカイブ

ラベル

3月のライオン (7) 7人のシェイクスピア (17) etc (29) アウトドア (6) あおのたつき (9) あかね噺 (4) アサギロ (13) アド・アストラ (6) アルキメデスの大戦 (20) アルテ (9) イサック (9) イノサン (9) ヴィンランド・サガ (10) ヴラド・ドラクラ (4) グルメ (12) こざき亜衣 (2) スポーツもの (1) つぐもも (9) ハコヅメ (8) パパと親父のウチご飯 (14) ハンティング (3) ヒストリエ (11) フィッシング (7) ふしぎの国のバード (9) フラジャイル (14) プリニウス (12) ブルーピリオド (5) へうげもの (20) ベルセルク (13) ミステリと言う勿れ (8) ゆるキャン△ (12) リアル (4) ローズ・ベルタン (9) 阿・吽 (3) 医療コミック (8) 応天の門 (18) 乙嫁語り (12) 怪獣8号 (4) 鬼滅の刃 (1) 宮下英樹 (3) 極東事変 (2) 軍靴のバルツァー (9) 高橋葉介 (3) 高橋留美子 (2) 山と食欲と私 (11) 重版出来 (7) 諸星大二郎 (2) 信長を殺した男 (1) 信長協奏曲 (6) 新九郎奔る! (5) 推しの子 (5) 星野之宣 (22) 戦記もの (5) 惣領冬実 (1) 葬送のフリーレン (6) 達人伝 (7) 断頭のアルカンジュ (4) 賭ケグルイ (28) 土山しげる (4) 東村アキコ (10) 卑弥呼 (8) 舞妓さんちのまかないさん (7) 紛争でしたら八田まで (7) 碧いホルスの瞳 (1) 亡国のマルグリッド (4) 忘却のサチコ (7) 幕末 (11) 満州アヘンスクワッド (9) 矢口高雄 (2) 薬師寺涼子の怪奇事件簿 (10) 憂国のモリアーティ (10) 歴史コミック (37)

自己紹介

自分の写真
日本の人口最少県の住人。なりわいは行政書士。読書好き、ガジェット好きの昭和人です。

QooQ