一見可憐なイメージながら、実はとんでもないギャンブラーの蛇食夢子を中心にして、夢子が転校当初のギャンブル勝負で負けた後、腐れ縁的に仲間となった、ヤンキー娘・早乙女芽亜里、ギャンブルの才能がほとんどない不運な男子生徒・鈴井を加えた三人が、日本の政財界の有力者の子弟が通学する「百花王学園」を舞台に、学園の統率・支配をめぐって、ギャンブルによる大バトルが繰り広げられる、「賭ケグルイ」シリーズの第10弾。
本巻は、以前、夢子に勝負を挑んで敗れた、夢見弖ユメミが蛇喰夢子と組んで、百喰一族に挑んでいく展開になるのですが、彼女の「アイドル」という偶像にどこまで自分を賭けているかを試される巻でもあります。
【構成と注目ポイント】
構成は
第50話 かわる女
第51話 わらく女
第52話 謳う女たち
第53話 粉骨砕身の女
第54話 惑う女
第55話 ハリウッドスターの女
となっていて、今回の勝負の相手は、日本人でハリウッドスターの「名足カワル」こと本名は「和楽久喰淑花」という百喰一族が誇る芸能一家のサラブレッドですね。
彼女の目的は、他の百喰一族に協力して、桃喰綺羅莉からこの学園の支配権を奪い取ることなのですが、ここで一族のはぐれ者である蛇喰夢子の実力を確かめるためにギャンブルを申し込みます。ところがここの割って入ってきたのが。百花学園のアイドル・夢見弖ユメミで、ここで「名足カワル」に自分のことを認識させるために、三つ巴での勝負に持ち込むことになります。
この勝負というのが「演技力勝負」というもので、それぞれ女優、アイドルといった芸能人としての力を競うものになるのですが、
また御一緒できるなんで光栄です
頑張りましょうね
といった感じで夢子の能天気さは、もう貴重な可愛らしさですね。
ただ、この勝負は、もともと「名足カワル」のほうがギャンブラーとしてもランクが上なうえに、ユメミが彼女を崇拝しているので、まともな勝負になるわけもなく、ユメミは
私のすべてを名足さんにぶつけたい
と、まあかなり青臭いことを言い出します。
そこで怒ったのが、天然のギャンブラー・蛇喰夢子で、「勝ち負け」を度外視し始めたユメミを見捨て
私は一人で戦います
と一人でカワルへ立ち向かうことを決意します。そして、夢子に突き放されたユメミはアイドルの意地を見せて勝負に出るのか、それとも潔い敗北を選ぶのか?、といった展開です。
【レビュアーから一言】
巻の最初のほうでは、百喰一族の一人・尾喰凛と桃喰綺羅莉とのポーカー勝負が展開され、彼女(桃喰綺羅莉)の
ポーカーで言うならば
自らを楽しませられるかが大事
愉悦への渇望
あの子にあるのは常にただそれだけ
といった性向が明らかにされます。それはギャンブルの目的が勝ち負けではなく、自分が楽しいかどうかにあるというもので、これは夢子の性向とかなり似通っていると言わざるを得ません。いずれ、この二人は激突するのでしょうが、さぞかし激闘が期待されますね。
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