現代からタイムスリップをしたフレンチのシェフが、織田信長の専属料理人となった上に、彼の命を受けて信長の前に立ちはだかる様々な難題を「料理」によって解決していく「信長のシェフ」シリーズの第26巻。
織田信長が天下統一を目の前に非業の死を遂げた「本能寺の変」を阻止するために、自分と同じく未来からタイムスリップした同僚を探すために、村上水軍の本拠に乗り込んだ「ケン」が描かれるのだが本巻。
【収録と注目ポイント】
収録は
第214話 いざ、新居へ
第215話 補い合う二人
第216話 覚悟の舞台
第217話 ケンの曲芸
第218話 海を知り尽くす者
第219話 常識の外にある者
第220話 託された料理
第221話 失われた記憶
となっていて、時代的には、第二次木津川の戦が終わったところで、今まで海戦では本願寺や毛利に遅れをとっていた織田勢が、鉄甲船で逆転を果たし、村上水軍内に動揺がはしりはじめるところかたスタートですね。史実では、あくまで毛利方につくべきと主張する村上武吉と、織田に鞍替えすべきという村上元吉との間で対立が生まれ始める頃です。和田竜さんの「村上水軍の娘」の主人公は元吉側についてます。
で、ケンのほうは、完成したての安土城をあとに豊臣秀吉のところへ向かいます。この時期、竹中半兵衛の病状が悪化しているため、彼にせめて美味い料理を食わせたいという秀吉の要請らしいのですが、ここで、ケンは、半兵衛の「軍師」としての「業」の深さを目の当たりにすることになります。
そして、半兵衛のはからいで四国の村上水軍に潜入することができるのですが、そこで待っていたのは、元吉が織田と密かに通じているのではと疑う武吉によって、「門付け」の芸を披露しろ、と難題がだされます。この時代の芸能には全く疎い「ケン」が見せたのは「芸能」ではなく「料理」の技なのですが、まあ見ようによっては「皿回し」の芸と共通しているところもあるかもしれません。
この難局をなんとか切り抜けた「ケン」なのですが、実は、このからくりを見抜いていた武吉によって、瀬戸内海の島へ拉致されてしまいます。
元吉の目的は、第二次木津川の戦で織田信長が村上水軍に向かって放った
という言葉の「真意」を掴むためなのですが、信長に味方すべきかどうか態度を決めかねている武吉に対し、ケンのアドバイスは
海賊ではなく、日ノ本の水軍として
おぬし達に任せたい
というクイズのようなものなのですが、さて、その意味するところは・・・といった展開ですね。そして、「ケン」を送り出した竹中半兵衛は・・・と変化と別れが錯綜する今巻ですね。
【レビュアーから一言】
展開のスピードが緩んだのでは、といった意見もあるところなのですが、第二次木津川の戦以降は、制海権を織田勢が握り、2年後には本願寺顕如も石山から退去するという事態となりますので、栄華の絶頂に信長が登っていき、その絶頂で「本能寺」を迎えるというクライマックスに至るところなので、ここらは丁寧に描いてほしいですね。さらに、光秀が本能寺の変を起こし、信長を討った新説でもでてくると面白いのですが・・・。
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