ナニワのめし行脚もこれで完結=「ナニワめし暮らし おいしてたまらんわぁ5〜8」(アクションコミックス)

2020年7月26日日曜日

グルメ

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 東京でのデザイナー暮らしで心身ともつかれてしまったとデザイナー「茶谷正彦」が、先輩の口車にのって東京から大阪にやってきて、一癖も二癖もある住人たちが住む、元お好み焼き屋のボロボロシェアハウス「しまき」の管理人兼フリー・デザイナーをしながら、「ナニワめし」に魅力に取り囲まれて、「ナニワ暮らし」に魅了されていく、「ナニワ自慢」の物語『はたのさとし「ナニワめし暮らし おいしてたまらんわぁ」(アクションコミックス)』の第5弾から第8弾。

この8巻で一応の完結ですね。                                           


【収録と注目ポイント】


第5巻の収録は


第25話 かすがいの「鍛冶屋鍋」

第26話 リスタートの「姫路おでん」

第27話 ホロ苦い青春の「和歌山ラーメン」

第28話 起死回生の「虎ざる」

第29話 「変わり種串カツ」の法要


となっていて、第5巻では、大阪をちょっと離れて富吉さんの娘の「めぐみ」さんが嫁いでいる姫路での「めし暮らし」で始まります。瀬戸内海側の兵庫県でも文化的にも往来的にも一体感がある神戸や西ノ宮とはちょっと違って、播州地方に属する姫路は、文化圏としてもちょっと独立圏的なところがありますね。


第26話で出てくる「姫路おでん」はその最たるもので、姫路駅のキオスクの土産物でもレトルトになったものを売っていたような気がするので、姫路駅に降り立つことがあれば寄ってみてください。


このあたりは「和歌山」でもいえて、「関西」とひとくくりにされるところが多いのですが、織田信長や豊臣秀吉の攻勢に最後まで独立を模索した「雑賀一族」に代表されるように、ちょっとひと味違いますね。

この第27話での広い拾いものは「天かけラーメン」で、一般的な和歌山ラーメンとは違う「鶏ガラ」ベースのスープで、わかめ、生姜、ネギ、天かすを入れたラーメンです。この出で立ちは、山陰の鳥取市のソウルフード「素ラーメン」に通じるものがあるかもしれません。


第6巻の収録は


第30話 「すじ肉うどん」に優しさ

第31話 幸せを呼ぶ「どろソースたこ焼き」

第32話 大人の階段上ぼる「バルメニュー」

第33話 人情薫る「恵方巻」

第34話 成長願う「バラ寿司」


第7巻の収録は


第35話 「さくらもち」が映す人生模様

第36話 天衣無縫の「ホルモン焼きうどん」

第37話 低くて高い「チキンカツ」

第38話 大和撫子と「大阪華かりん」

第39話 珍しくも濃い「とりホルモン」


となっていて、第6巻からは今までの、ナニワのご当地メニューを中心としたストーリーテリングを変化させて、ナニワ人情はなし的な色合いを強めてきています。

ここのあたりが「好み」かどうかはちょっと分かれるところですね。

第6巻第30話にでてくるおでん種の「梅焼き」とか、第6巻第31話の相合橋商店街の「どろソース」のたこ焼きとか、ナニワめしはでてくるのですが、ストーリーはちょっと薄味かもしれません。


当方的には、第7巻の第36話のように、兵庫県の佐用の「ホルモンうどん」など、ナニワとはちょっと離れた所のご当地めしへ話が広がっていったほうが好みでありますね。


第8巻の収録は


第40話 おもてなしの「ナニワめし」

第41話 芸の道は「スパイスカレー」の如し

第42話 がっついてナンボの「がっちょの唐揚げ」

第43話 体感こそ大事な「変わり種コロッケ」

第44話 アホでも味ある「はりはり鍋」

第45話 身も心も温まる「関東煮」

最終話 しまきの「お好み焼き」


となっていて、第8巻は、この「ナニワめし暮らしシリーズ」の最終巻です。なので、第44話ででてくる伝統的な鯨を使った「はりはり鍋」とか第42話ででてくる泉州地方のネズミコチの別名である「がっちょの唐揚げ」といった昔ながらのナニワめしから、第41話の「燻製ベーコンカレー」に始まるスパイスカレーまで多種多様なメニューが登場します。こういった柔軟さや多様性と、第1巻から第8巻までのパワフルさが「ナニワめし」の醍醐味なんでありましょう。



【レビュアーから一言】


ソースこてこてな「たこ焼き」だけでなく、素材の味をいかした料理まで数多くの「ナニワめし」を披瀝してくれたこのシリーズも8巻で完結です。途中、和歌山や姫路といった、ナニワの中心から離れたところのご当地メシの紹介もあってこの方向に広がっていくのかな、と思っていたのですがナニワの範囲に収まって終了したのがちょっと残念なところですね。当方的には、丹波や丹後、播州、奈良といったところへ広がっていくとさらにおもしろくなったと思うのですが、そこが残念なところですね。

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