癒やしカフェの名パティシエが鹿楓堂に勤めるまでー清水ゆう「鹿楓堂」11〜13(バンチコミックス)

2021年3月14日日曜日

グルメ

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 東京郊外にある、古民家風の小さな甘味処を舞台に、この店で働く4人のイケメンが、店に訪れるお客の悩みを、絶品の「菓子」や「料理」、「珈琲」を使って解決していく、癒やし系スィーツストーリーの「鹿楓銅よついろ日和(バンチコミックス)」シリーズの第11弾から第13弾まで。


構成と注目ポイント


第11巻のよみどころー老夫婦の結婚を決めた思い出


第11巻の構成は


第52話 昼ポート同好会にようこそ

第53話 ときたか先生の料理教室

第54話 青い花の咲く頃

第55話 燃えよきなこ

第56話 夢をつくる場所①

第57話 夢をつくる場所②


となっていて、第53話の「ときたか先生の料理教室」では、素晴らしいお茶をいれるくせいに料理のほうはからっきしの「スイ」のために、「ときたか」が料理始動をする話なのですが、「ときたか」がつくった中華丼が、「スイ」がつくり卵焼きの載った「栄養マシマシバージョン」に変化してしまうのが不思議です。


第54話の「青い花の咲く頃」では、結婚後数十年を経た老夫婦が「鹿楓堂」を尋ねてきます。長い夫婦生活の中で、二人で喫茶店に行くのは「初めて」という典型的な「日本の高度成長期を支えた夫婦」といった感じなのですが、鹿楓堂の前の長年手入れされた「あじさい」に花を見て、馴れ初めの時を思い出すところに、長年連れ添った夫婦の愛情を垣間見ることが出来ます。


第12巻の読みどころー名パティシエは「つくる喜び」を思い出す


第12巻の構成は


第58話 夢をつくる場所③

第59話 夢をつくる場所④

第60話 夢をつくる場所⑤

第61話 夢をつくる場所⑥

第62話 夏、はじめました

第63話 群青インターバル


となっていて、前半部分は、第11巻から続く、鹿楓堂のパティシエ「つばき」が鹿楓堂にやってきた思い出が語られます。


彼は若いながら腕のいいパティシエであったのですが、幼い頃、父母から与えられたトラウマから、人とのコミュニケーションをとるのに臆病になっていて、菓子店に勤めていても、そこの店員やお客さんとの人間関係が濃くなる気配が出ると、店を辞めて転々とする生活をおくっていたようです。


そうやって、人とのつきあいを立っていく中で、「ものを作る喜び」すら失っていっているのですが、彼が最後の店でつくっった「夏空という菓子の出来栄えと菓子に添えた花の飾りに込めた想いを感じ取った「スイ」から、祖父の「鹿楓堂」のときに、名物の菓子であった「花大福」の再現を頼まれます。



その再現のため、鹿楓堂に泊まり込み、「スイ」や「ときたか」との共同生活をおくるうちに、心のわだかまりを溶かしていきます。しかし、この「花大福」の再現はかなり難物で、餅の柔らかさや甘さの加減や、「花」となる赤エンドウの塩味の再現ははなんとかなったのですが、餡の感じが、スイによると「しっくりこない」という批評で、餡に使う「豆」を探しまくることになります。そして、スイの祖父が信州出身であることを聞いてたどり着いたのが「紫花豆」で、という展開です。


これがもとで、「菓子をつくり、誰かを喜ばせる歓び」を思い出した「つばき」はその後も、鹿楓堂にいつき、一緒に働くことになって、という筋立てです。このエピソードは話を聞いた「角崎」にもなにかの影響を及ぼしたようですが、その結果がわかるのは次巻以降でしょうか。


このほか、怪我のためにバスケの試合に出られなくなった小学生の女の子をグレさんが元気づける「群青インターバル」とか、心があたたまるストーリーも収録されてます。


第13巻の読みどころーまりちゃんの「髪飾り」を探せるか


第13巻の構成は


第64話 メロングリーンの午後

第65話 八京の出張メシ

第66話 花乃坂まつり 前編

第67話 花乃坂まつり 中編

第68話 花乃坂まつり 後編

第69話 秋のごちそう


となっていて、まず注目しておきたいのは第64話。ソロツーリング好きで雨男の「おっさんライダー」が、雨宿り先の「鹿楓堂」で出会ったのは・・・「クリームソーダ」。


「メロングリーン」色をしていて、真っ赤なさくらんぼと、丸いアイスクリームが載っていて、という昔懐かしいものに出会うお話。これはかなり年配者向けのストーリーかも。


第66話から第68話の「花乃坂まつり」は鹿楓堂のライバル店のイタリアンレストランの一人娘「まりちゃん」が楽しみにしていたお祭りで、母親の形見の「髪飾り」を落としてしまい、大捜査線がはられるお話。


まあ、たかが「髪飾り」という向きがないでもないのですが、大「真剣」モードになるのが本シリーズの特徴でありましょうか。


レビュアーから一言


第10巻でシンガポールでの業務拡張のために、長期滞在してビジネスの基盤をつくっている八京の海外出張も3ヶ月の経過して第13巻の「八京の出張メシ」では、海南ライスを自炊する余裕もでてきているようです。およそ1年間ぐらい、といわれていたシンガポール出張なのですが、これからなにか新展開がないか、期待したいところです。

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