最凶のすそはらい・奏歌が、菊理姫と桐葉を滅ぼすー浜田よしかづ「つぐもも」12〜14

2021年5月3日月曜日

つぐもも

t f B! P L

 母親ゆかりの帯である正絹爪掻本綴袋帯「あやさくら」が年月を経て意識をもつようになった付喪神「桐葉」と、彼女の”ご主人さま”的立ち位置のはずなのだが、完全に下僕扱いされている主人公「加賀見一也(かずや)」をメインキャストにして、ひきよせられてくる妖怪や人の呪詛や想いが結集した怪異「あまそぎ」を、土地神「くくり姫」の「すそはらい」として調伏していく、お色気満載・コメディータッチの「陰陽師」物語の第12弾から第14弾です。


「迷い家」の復活のための上岡の土地神・菊理姫の襲撃計画からはじまった「迷い家」vs「かずや+桐葉」連合軍の戦いだったのですが、「迷い家」に途中参画していた「あざみ」の予想外の目的が明らかになり、第三勢力・奏歌による両者の「殲滅戦」に移行していきます。


構成と注目ポイント


第12巻 「迷い家」の急進派の襲撃を”くくり”が返り討ち


第12巻の構成は


第58話 刺客1

第59話 刺客2

第60話 刺客3

第61話 刺客4

第62話 迷い家騒乱


となっていて、「迷い家」で土地神襲撃の急進派によって「菊理姫」の従者・黒耀が襲われす。


この裏には、「迷い家」勢による「菊理姫」の殺害と石片奪取の企みがあることをみぬいた”かずや”たとは逆襲に転じます。迎え撃つのは「桐葉・かずや」「金羅神社祭神・金山毘売神。金山たぐり」、そしてお悩み相談室に潜入していている「迷い家」のスパイ「あきと・みまね」です。「迷い家」勢の”あきと”たちが”かずや”たち側で戦うのは、”みまね”の


という戦況分析があったせいですね。


対戦は「斧」の付喪神・玄武vsあきと


「笛」の付喪神・響華vs桐葉・かずや


「扇」の付喪神・扇華+「盾」の付喪神・盾合vs金羅神社祭神・金山毘売神の金山たぐり


という組み合わせなのですが、バトルシーンの詳細と戦況の行方は原書のほうで。


そして、この対戦が行われている隙に、白山神社のほうへ「迷い家」の別働隊となる5人の付喪神が土地神。菊理姫を襲撃します。菊理姫を守る”かずや”たちを引き付けておいて、戦闘力をなくしている(と思われている)菊理姫(くくり)を殺害して、石片を手に入れようという作戦ですね。

しかし、弱体化して戦闘力は皆無と思われていた菊理姫(くくり)なのですが、彼女の地力は半端なくて、という感じです。「鏡」の付喪神”みまね”の見立ては間違っていなかったようですね。


一方、はくれ付喪神たちの拠点「迷い家」でも異変がおきてきます。土地神襲撃が遅々として進まないのに業を煮やして、急進派たちが決起。「迷い家」の里は戦乱状態に陥ります。


第13巻 ”くくり”は迷い家勢力と対決するため完全体に復活


第13巻の構成は


特別編 加賀見かずやの日常

第63話 仲直り

第64話 転校生

第65話 大船

第66話 頂上決戦


となっていて、最初の「加賀見かずやの日常」は、演劇部の発表会で自作のファンタジーアクション劇を勝手に改変され、しかも主役から降板させられた演劇部員「小林さん」が作り出した「あまそぎ」の「すそはらい」です。


第63話と第64話ではひさびさに「皇すなお」の登場です。上岡の土地神の危難に、高天原の指令で、彼女が臨時救援に派遣されたというわけですね。当然、この機会をつかって「かずや」を籠絡してこい、という”すなお”の母親・皇すずりの密命が下っているわけで、各種のサービスシーンをお楽しみに。

ただ、”すなお”の剣の腕のほうは、彼女の成長を妨げていた「頑なさ」がなくなり、つぐももの「虎徹」との信頼も増したせいで、一層、パワーアップをしているようです。


本編のほうでは、いよいよ過去に取り込んだ石片の霊力の低下が激しくなったため、「迷い家」の付喪神たちは、迷い家の付喪神・ミウラヒを先頭にたてて最終決戦を挑んできます。釣り船・吉兆丸と迷い家を合体させた巨大船で、付喪神全員を乗せて、上岡の白山神社跡地めがけて進軍してきます。


これを迎え撃つ土地神連合なのですが、まずは上岡の隣地・小宮の土地神・火之迦具土が相手をします。火を扱う土地神である彼の「天つ火」「業天火・火喰鳥」といった大技で船を焼き尽くそうとするのですが、相手も船の虚像を作り出すことでこれをスルー。両勢力の戦いは、菊理姫(くくり)とミウラヒの頂上決戦で勝負を決することとなります。


しかし、石片を体内に蔵し、年月を経た「ミウラヒ」もまた強力な付喪神、押され気味になる菊理姫はとうとう、上岡の「結界」を解いて「ミウラヒ」たちに対峙します。


結界を張ることに力を取られていた「菊理姫」は”完全体”となって「ミウラヒ」を圧倒するのですが、これを狙っていたのが、「迷い家」に途中から参画した黒い帯の付喪神”あざみ”です。そして、彼女の本当の狙いは・・・というところで次巻に続きます。


第14巻 強大な「奏歌」の前に、菊理姫敗れる


第14巻の構成は


第67話 奏歌1

第68話 奏歌2

第69話 奏歌3

第70話 奏歌4

第71話 奏歌5


となっていて、かつて「菊理姫(くくり)」や「桐葉」によって斃され、封印されていた”かずや”の母・奏歌が復活します。


奏歌の”つぐもも”であった”あずみ”は迷い家の付喪神「ミウラヒ」の油断をついてこれを刺殺し、彼の体内から磐長姫尊の「石片」を奪い、その力を使って、封印されていた”奏歌”を蘇らせます。


ここで、彼女が”かずや”が幼い頃に生み出した”あまそぎ”の”あずみ”に取り込まれた存在で、すでに死んでいるにもかかわらず”あまそぎ”に乗っ取られていることと、彼女たちの存在目的が「かずやを殺すこと」であることを知ります。さらに、”かずや”があまそぎの「奏歌+あざみ」を葬らなければ、巨大なすそ返しがかずやと周辺の町を壊滅してしまうということも。


蘇った「奏歌+あざみ」の力は強大で、「ミウラヒ」の仇を討とう「迷い家」の残党たちが一斉に襲撃するのですが、「瞬殺」ですね。


そして、”かずや”と全力で戦って葬るために、彼の封印を解くよう要求する「奏歌+あざみ」に対して、「奏歌+あざみ」の力を弱めようと、金羅神社祭神・金山毘売神”金山たぐり”+天象神社祭神・八意思兼命、皇すなお+虎徹、菊理姫と「奏歌+あざみ」との大バトル・シーンが連続します。しかし、以前封印されたときに比べて、さらにパワーをUPさせた「奏歌+あざみ」に粉砕されてしまい、そして、平和を守るため母親殺しを決意し、意を決して立ち向かう「かずや+桐葉」も・・・、という筋立てですね。


ここで、「奏歌+あざみ」によってとうとう”かずや”も、と思われたところで立ちはだかるのが、今までフツーの人間と思われていた”かずや”の姉「霞」で・・という展開をしていきます。


この「奏歌+あざみ」との戦いの結果、多大な犠牲がでるのですが、詳細は原書のほうでどうぞ。


レビュアーから一言


いままで「おちゃらけ」+「お色気」系現代版陰陽師マンガの傾向のあった、今シリーズなのですが、シリアス度が巻を追うに従って高まってきています。

さらに、母親vs息子の戦いが進展するなど、子供が親を乗り超える「親殺し」神話の様相も見せてきたのですが、ここからどう展開していくのでしょうか・・。

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日本の人口最少県の住人。なりわいは行政書士。読書好き、ガジェット好きの昭和人です。

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