マケドニア軍は雌伏中 ー 岩明均「ヒストリエ 8」

2015年7月29日水曜日

ヒストリエ

t f B! P L

 さて、少々長い猶予期間ではあったが、エウメネスの出世物語も、ようやく戦乱の時に突入した。

しかも、その戦乱がけして大勝利、といえないものなので、今まで逼塞ぎみであったエウメネスが一躍、陽のあたるところに登場する機会もでようというものだ。


収録は

第66話 2都市攻略戦・2

第67話 2都市攻略戦・3

第68話 2都市攻略戦・4

第69話 2都市攻略戦・5

第70話 スキタイ遠征・1

第71話 スキタイ遠征・2

第72話 帰途の一戦・1

第73話 帰途の一戦・2

となっていて、最初の方は、ペリントスとビザンティオンでのアテネとの戦い。第70〜71話は、敗戦後、帰りしな失地回復とばかりにスキタイの甘言にのってしまった話とか、スキタイに勝ったものの、バルバロイに襲われて不覚をとるとか、マケドニアにとっては苦い話が続く巻である。


注目しておくべきは最初のほうの戦いで、第9巻でエウメネスが深く関わるアテネの名将にして強力な雄弁家であるフォーキオンの登場。

で、そのフォーキオンの評であるが、優秀な雄弁家、政治家であるほかに


戦場において妙策、奇策を繰り出すような天才肌ではないものの、その指揮ぶりは堅実かつ着実。

冒険を極力避けつつ最小限・最大効果の戦闘で戦局を優位に導いていく


というのは、「実力あるビジネスマン」をめざす者が目指す理想でもあろう。


で、この巻におけるエウメネスはアテネとの海戦での進言や、アテネへの敗戦後失地回復とばかりにでしゃばったスキタイでの戦い、その後引き揚げ中におけるトリバロイ部族の襲撃でのアッタロスを騙った伝令・指揮といったところで存在感を増していく、といった展開である。


最後の方で、後年、フィリッポスの后となるエウリディケと恋仲になったような描写もあり、成り上がりまっただ中のエウメネスであった。

このブログを検索

ブログ アーカイブ

ラベル

3月のライオン (7) 7人のシェイクスピア (17) etc (29) アウトドア (6) あおのたつき (9) あかね噺 (4) アサギロ (13) アド・アストラ (6) アルキメデスの大戦 (20) アルテ (9) イサック (9) イノサン (9) ヴィンランド・サガ (10) ヴラド・ドラクラ (4) グルメ (12) こざき亜衣 (2) スポーツもの (1) つぐもも (9) ハコヅメ (8) パパと親父のウチご飯 (14) ハンティング (3) ヒストリエ (11) フィッシング (7) ふしぎの国のバード (9) フラジャイル (14) プリニウス (12) ブルーピリオド (5) へうげもの (20) ベルセルク (13) ミステリと言う勿れ (8) ゆるキャン△ (12) リアル (4) ローズ・ベルタン (9) 阿・吽 (3) 医療コミック (8) 応天の門 (18) 乙嫁語り (12) 怪獣8号 (4) 鬼滅の刃 (1) 宮下英樹 (3) 極東事変 (2) 軍靴のバルツァー (9) 高橋葉介 (3) 高橋留美子 (2) 山と食欲と私 (11) 重版出来 (7) 諸星大二郎 (2) 信長を殺した男 (1) 信長協奏曲 (6) 新九郎奔る! (5) 推しの子 (5) 星野之宣 (22) 戦記もの (5) 惣領冬実 (1) 葬送のフリーレン (6) 達人伝 (7) 断頭のアルカンジュ (4) 賭ケグルイ (28) 土山しげる (4) 東村アキコ (10) 卑弥呼 (8) 舞妓さんちのまかないさん (7) 紛争でしたら八田まで (7) 碧いホルスの瞳 (1) 亡国のマルグリッド (4) 忘却のサチコ (7) 幕末 (11) 満州アヘンスクワッド (9) 矢口高雄 (2) 薬師寺涼子の怪奇事件簿 (10) 憂国のモリアーティ (10) 歴史コミック (37)

自己紹介

自分の写真
日本の人口最少県の住人。なりわいは行政書士。読書好き、ガジェット好きの昭和人です。

QooQ