高橋留美子「鏡が来た」(ビッグコミックススペシャル)

2016年7月3日日曜日

高橋留美子

t f B! P L

 「うる星やつら」に始まって、「らんま1/2」「犬夜叉」などのミリオンセラーを輩出し、コミック界の大御所となった高橋留美子大人であるのだが、個人的には、コミック・ホラー(ちょっと矛盾した表現なのだがご容赦を)の掌編にその凄さが凝縮するような気がしている。



本書の収録は

鏡が来た
リベンジドール
星は千の顔
可愛い華
with CAT
MY SWEET SUNDAY

となっていて、本気のホラーは、表題作の「鏡が来た」で、後は、ホラーの匂いはあるがコミックの気配が強い作品が多い。


もっとも、「鏡が来た」にしても、鏡による人間の邪心の「浄化」の過程で、美少女と眼鏡少年が出会うという、Boy Meat Girlの典型といえばいえなくなく、恐怖だけをぐいぐいと押し付けてくる、ありきたりの「ホラーもの」と違ってあちこちに笑いが挟まるのが、「るーみっくわーるど」の心地よさでもある。


なお、最後の「MY SWEET SUNDAY」はあだち充とのコミック風味の交換日記で、手塚治虫、石森正太郎、藤子不二雄の次の次の世代がコミックの世界にどう憧れをいだき、どう漫画家を目指したか、といったところが日本の漫画の歴史の一幕を同時体験できて面白い。


高橋留美子のホラーはどうかすると、夜中に後ろを振り返ってしまうぐらい怖いものもあるのだが、ソフトホラーといったテイストで、あまり心臓に負担をかけずに読める短編集であります

このブログを検索

ブログ アーカイブ

ラベル

3月のライオン (7) 7人のシェイクスピア (17) etc (29) アウトドア (6) あおのたつき (9) あかね噺 (4) アサギロ (13) アド・アストラ (6) アルキメデスの大戦 (20) アルテ (9) イサック (9) イノサン (9) ヴィンランド・サガ (10) ヴラド・ドラクラ (4) グルメ (12) こざき亜衣 (2) スポーツもの (1) つぐもも (9) ハコヅメ (8) パパと親父のウチご飯 (14) ハンティング (3) ヒストリエ (11) フィッシング (7) ふしぎの国のバード (9) フラジャイル (14) プリニウス (12) ブルーピリオド (5) へうげもの (20) ベルセルク (13) ミステリと言う勿れ (8) ゆるキャン△ (12) リアル (4) ローズ・ベルタン (9) 阿・吽 (3) 医療コミック (8) 応天の門 (18) 乙嫁語り (12) 怪獣8号 (4) 鬼滅の刃 (1) 宮下英樹 (3) 極東事変 (2) 軍靴のバルツァー (9) 高橋葉介 (3) 高橋留美子 (2) 山と食欲と私 (11) 重版出来 (7) 諸星大二郎 (2) 信長を殺した男 (1) 信長協奏曲 (6) 新九郎奔る! (5) 推しの子 (5) 星野之宣 (22) 戦記もの (5) 惣領冬実 (1) 葬送のフリーレン (6) 達人伝 (7) 断頭のアルカンジュ (4) 賭ケグルイ (28) 土山しげる (4) 東村アキコ (10) 卑弥呼 (8) 舞妓さんちのまかないさん (7) 紛争でしたら八田まで (7) 碧いホルスの瞳 (1) 亡国のマルグリッド (4) 忘却のサチコ (7) 幕末 (11) 満州アヘンスクワッド (9) 矢口高雄 (2) 薬師寺涼子の怪奇事件簿 (10) 憂国のモリアーティ (10) 歴史コミック (37)

自己紹介

自分の写真
日本の人口最少県の住人。なりわいは行政書士。読書好き、ガジェット好きの昭和人です。

QooQ