大和と出雲の抗争は、現在の東京と地方の関係の先例か? = 水木しげる「水木しげるの古代出雲」(角川文庫)

2017年1月4日水曜日

etc

t f B! P L

 最近仕事の関係で、鳥取県西部から島根県東部の歴史の本を読んでいるのだが、先月に開催された井沢元彦氏と三浦佑之氏のシンポジウムで出てきたのが、この本。


水木しげる氏は山陰の出身でもあるので、鬼太郎もの、戦記もののほかに晩年は、こうした”出雲神話””大和政権に滅ぼされた出雲族”ものが多くなっていたような気がする。


構成は

プロローグ

第1章 天地創生

第2章 アマテラスとスサノオ

第3章 出雲神話

 1 ヤマタノオロチ

 2 国引き

 3 因幡の素兎

第4章 オオクニヌシの試練

第5章 スクナビコナとオオモノヌシ

第6章 アメノヒボコ襲来

第7章 国譲り

第8章 謎の出雲青年

第9章 出雲大社造営

エピローグ

水木しげるの古代出雲 番外編


となっていて、本編の第1章から第7章までは古事記や出雲風土記の出雲神話の水木流漫画というところで、ところどころ筆者の解釈も入るのだが、まあ通説というか穏当な成り立ち。第8章のところで、水木しげる氏の夢に”滅ぼされた出雲族”を名乗る青年が登場するところから、話は「大和 VS 出雲」といったことに発展し、そして、実は古代日本の歴史の真相は・・・、といったところになるのだが、これ以上ネタバレすると営業妨害になりかねないので、後は原書で読んでいただきたい。


ただまあ、中央に対して辺境を持ち上げないといけないのは、このブログの本旨でもあるんで、ちょっとばかり踏み出すと、中央の歴史は勝者の立場から書かれることが多数であるので、抗争の歴史や踏みにじった辺境の歴史は、やはり現地で、現地の言い伝えなどをもとに想像を広げないと真相はでてきないよな、というのが実感。

大和政権が踏み倒していったところはおそらくは出雲だけでなく吉備とか東北とか数々あったはずで、中心部が大和で平和に日本が統一されたというのは幻想に近いような気がする。


最後の番外編は、出雲族の青年のお告げに導かれた、水木しげる氏の出雲を中心とした島根県東部の取材ルポといった風のもの。旅行エッセイの感じで読めばよい。

このブログを検索

ブログ アーカイブ

ラベル

3月のライオン (7) 7人のシェイクスピア (17) etc (30) アウトドア (6) あおのたつき (9) あかね噺 (12) アサギロ (13) アド・アストラ (6) アルキメデスの大戦 (20) アルテ (9) イサック (9) イノサン (9) ヴィンランド・サガ (10) ヴラド・ドラクラ (4) キングダム (35) グルメ (12) ゴールデンカムイ (23) こざき亜衣 (5) スポーツもの (1) ちるらん (16) つぐもも (9) ハコヅメ (8) パパと親父のウチご飯 (14) ハンティング (3) ヒストリエ (11) フィッシング (7) ふしぎの国のバード (9) フラジャイル (14) プリニウス (12) ブルーピリオド (5) へうげもの (20) ベルセルク (13) ミステリと言う勿れ (8) ゆるキャン△ (12) リアル (4) ローズ・ベルタン (9) 阿・吽 (8) 医療コミック (8) 応天の門 (18) 乙嫁語り (12) 怪獣8号 (4) 鬼滅の刃 (1) 宮下英樹 (8) 宮下英樹ーセンゴク (10) 宮下英樹ーセンゴク一統記 (10) 宮下英樹ーセンゴク権兵衛 (27) 宮下英樹ーセンゴク天正記 (13) 極東事変 (2) 軍靴のバルツァー (9) 高橋葉介 (3) 高橋留美子 (2) 山と食欲と私 (11) 重版出来 (7) 諸星大二郎 (2) 信長のシェフ (33) 信長を殺した男 (9) 信長協奏曲 (6) 新九郎奔る! (15) 推しの子 (5) 星野之宣 (22) 戦記もの (5) 戦国小町苦労譚 (12) 惣領冬実 (1) 葬送のフリーレン (6) 泰三子ーだんドーン (2) 達人伝 (17) 断頭のアルカンジュ (4) 賭ケグルイ (28) 土山しげる (4) 東村アキコ (10) 卑弥呼 (15) 舞妓さんちのまかないさん (7) 紛争でしたら八田まで (7) 碧いホルスの瞳 (1) 亡国のマルグリッド (4) 忘却のサチコ (7) 幕末 (21) 満州アヘンスクワッド (9) 矢口高雄 (2) 薬師寺涼子の怪奇事件簿 (10) 憂国のモリアーティ (10) 歴史コミック (56)

自己紹介

自分の写真
日本の人口最少県の住人。なりわいは行政書士。読書好き、ガジェット好きの昭和人です。

楽天市場

ネットオフ

QooQ