「読書マンガ」というジャンルの「読書」でないコミック = 施川ユウキ「バーナード嬢曰く」(一迅社)

2018年9月1日土曜日

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 Kindleで一迅社の50%還元セールをやっているのだが、他のラインナップとはちょっと異質で居心地悪そうなのが、この「バーナード嬢曰く」。町田さわ子こと「バーナード嬢」、彼女のしゃべりの聞き手・遠藤、図書委員の長谷川スミカ、少々ピントがおかしい読書家少女の神林しおり、の四人による「読書マンガ」である。


【展開は】


展開は?というと、学校の図書室を舞台に、町田☓遠藤、町田☓神林、遠藤☓長谷川が、本をネタにグダグダと「本」とは関係ないようなあるようなことを喋り合う、という、「労働生産性」大事のビジネス本の筆者が見ると激怒しそうな展開である。


なにせ、この主人公のバーナード嬢(バーナード・ショーのもじりであることはおわかりですよね)、このコミックの表紙にも引用されているように、ショウペンハウエルの「読書について」で


一度もみたことない、この本

私の中ではすでに読破したっぽいフンイキになっている


という具合であり


ヴォネガットの「スローターハウス5」の「人生について知るべきことは、すべてフョードル。ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」の中にある」「だけどもうそれだけじゃ足りないんだ」といったところを引用しつつ


「カラマーゾフの兄弟」はモノ足りない。つまり未読でいいって、免罪符をくれたよ。


と、読書マンガでありながら、「読んでいないこと」を正当化するんである。


まあ、世にいう「名作」「古典」といったもの、当方も名前は知っているが、できれば読んだふりしてスルーしたいほうなので、この態度はよくわかりますな。


このほかに、やたら妙な視点で絡んでくる神林しおりの「SF談義」とかには「エンダーのゲーム」の翻訳がださい、とか、SFの伝説的出版「サンリオ文庫」の裏表紙のミスリードとか、「グレッグ・イーガンの話にはわからないところ満載だが、そこのところは他の読者も、おそらく作者もわかってないに違いない」といった暴論であるとか、大昔のSF好きにはたまんないところがありますね。


【まとめ】


まあ、韓国料理のサービスで出てくる「ミッパッチャン」だけを食べ続けている感じがあるので、好みはわかれるのだが、読書好きには、パクチーのように、慣れると病みつきになってしまう「習慣性」があるように思いますな。

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