いよいよ、徳川家康が豊臣家を壊滅させるために着々と手を打ち始める、その第一手である「方広寺の鐘」にいちゃもんをつける1614年7月から、大坂冬の陣が始まる1614年12月までが描かれるのだが、今巻。
織部正が打ち続けてきた「豊徳合体」の夢が崩れ去っていく段階となり、史実によれば、家康と古田織部の決裂もだんだんと近づいているのだが、まずは豊臣家の行方がメインの話題となる。
【構成と注目ポイント】
構成は
第二百二十席 How Brilliant
第二百二十一席 ラストダンスは愛の讃歌
第二百二十二席 感情一〇八号線
第二百二十三席 back to black
第二百二十四席 ex Terminater
第二百二十五席 DIAMONDS
第二百二十六席 Do it BANG2
第二百二十七席 私のDONG
第二百二十八席 ZIGZAG70
第二百二十九席 スペクトルマンGOGOGO
第二百三十席 Go Crazy!
となっていて、まずは、方広寺の梵鐘へいちゃもんつけの結末のあたりから始まる。
大蔵卿と片桐且元との二枚舌で、豊臣方を二つに割る、有名な謀みが炸裂する。方広寺の件では「呆れたわ、大御所様には」といった感想を織部が漏らすのだが、同感しつつも、同時代でここまではっきり意思表明すれば後々まずいことになるよね、と想像はつくよね。
で、話のほうは、方広寺の梵鐘へのいちゃもんへの対応で豊臣家に出された難題を軸にして、豊臣家が割れていくのだが、「粋か野暮かなぞという事が、そこまで重きものなのか!?」という片桐且元や、大阪城の浪人たちが暴発して徳川との戦に突き進んでいる大阪城勢に対する古田織部の「大阪城はかぶき城と化してしまった」といったあたりが、歴史の大きな動きに竿さそうとして果たせなかった人の哀しさを現してますね。
もっとも、家康の望みは、豊臣家の滅亡だけではなく、
今度こそ叶う限りの武人を始末せん
悔いの残らぬようにな
であったり
この世にひょうげものなぞ要らぬ
といったように戦国武者や豊臣秀吉の残したものを併せて抹殺してしまおうということなので、「戦国時代」やそれに続く「安土桃山時代」の持つ「華やかさ」をすべて消し去ろうという目論見に違いなく、大坂方が「野暮」というのも納得できますね。
本巻では、京都の大文字焼であるとか、織部が柳生によって命を狙われるところとか、大坂の陣以外のコンテンツも豊富なので、そのへんも楽しんでくださいな。
【レビュアーから一言】
家康の打つ手は逃げ出すところがなくて、豊臣秀頼・茶々をはじめ豊臣家の面々が追い詰められていくのだが、その家康も誤算であったのが、古田織部の「へうげ」の魅力に心酔した二代将軍・徳川秀忠が「それは父上の案ずる太平では・・」と家康に不満を抱えている点です。
家康と秀忠の不和は、この後も親子関係だけでなく、三代将軍の跡目とか、幕臣同士の対立とか、いろいろな影響を及ぼすのだが、案外、古田織部が徳川に打ち込んだ渾身の楔だったのかもしれないですね。
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