応仁の乱が始まる中、姉・伊都の縁談も進んでいき・・ = ゆうきまさみ「新九郎奔る!」2

2020年3月7日土曜日

新九郎奔る!

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 戦国時代の「下剋上」の典型として、堀越公方足利政知の息子・茶々丸を攻め滅ぼして「伊豆」を我が物にしたのを皮切りに、関東管領の上杉氏の家臣から小田原城を奪い取り、その後、相模国を領土とし、戦国大名の魁といわれる「北条早雲」の若き頃の姿を描く「新九郎奔る!」」シリーズの第2弾。


前巻では父親・伊勢盛定の所領である備中荏原庄から京都へ上京し、父母や異母兄姉と暮らし始めるのだが、足利幕府の財政と軍事の要を実質的に牛耳っていた伯父の定親が失脚し、今まで栄華と権勢を誇っていた伊勢一族がどうなるのか、という不安が大きくなっていたのだが、その後対立が激化し「応仁の乱」へ向かっていくのが今巻。


【構成と注目ポイント】


構成は


第七話 戦下の元服

第八話 父還る その1

第九話 父還る その2

第十話 伊都の縁談

第十一話 鬼火 その1

第十二話 鬼火 その2


となっていて、細川勝元と山名宗全がとうとう激突します。


新九郎は、従兄弟のつながりから細川勝元と伊勢家との使い走りを務めている上に、勝元の妻・亜々子のところで彼女の父である山名宗全と碁をうつ経験をするなど、応仁の乱で対立した両巨頭と不思議な縁をもっていますね。


で、私生活のほうは、父親が亡命したまままので、不自由なことは間違いないのですが、生母・浅茅が、伊勢の本家の伊勢貞親の弟・貞藤と結婚したことをきっかけに、元服をさせてもらえることとなり、一人前の「武士」としてデビューすることとなります。


ただ、この伊勢貞藤はこの結婚を機に、山名宗全と通じているのではと疑われたり、細川勝元暗殺への関与についても疑惑の的となります。


このせいで、細川勝元と一派をなしている伊勢貞親の伊勢宗家とは微妙な関係になって山名宗全の西軍と通じた疑いで京都から追放され、新九郎の身の振り方にも影響してくることとなります。


そんな時に持ち上がってくるのが、姉・伊都の「今川義忠」との縁談です。この今川義忠が現当主となっている今川家はもともと駿河と遠江の守護を務めていたのですが、現在では斯波氏に遠江の守護職を奪われており、その奪還が悲願となっています。このため、将軍警護の名目で上洛し、斯波氏の属する山名宗全率いる西軍の敵となる細川勝元の東軍へ味方した、という設定です。そして、その東軍に属していた伊勢貞親や新九郎の父・伊勢盛定が今川家を完全に取り込むために、伊都との縁談をまとめようとしているわけですね。


まあ、この縁が後に新九郎が、駿河や伊豆へと進出していくきっかけとなるのですから、人の運命というのはひょんなことから転がっていくものですね。


【レビュアーから一言】


この巻で、戦国時代の戦争方式の特徴である「足軽」の第一号ともいわれる「骨川道賢」が登場します。もともとは盗賊の取締をやっていた役人なのですが、火付け・盗賊に顔がきくことから細川勝元が金で雇って、放火や後方撹乱に使ったということのようです。

まあ、彼の活動は西軍の大軍による攻撃で1週間ももたずに制圧されてしまうのですが、戦争形式を「個人戦」から「集団戦」へと変えていった「発明」であったのは間違いないですね。

 この生みの親ともいえる「細川勝元」という人物は、料理や、医術、和歌。絵画にも精通した文化人であったらしいのですが、「戦術家」としても相当の才能の持ち主であったのかもしれません。

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