「リー」の女王への予言のおかげで快進撃始まる =「七人のシェイクスピア(Part2) 9」(ヤングマガジンコミックス)

2020年6月2日火曜日

7人のシェイクスピア

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 大英帝国が絶頂を迎えたエリザベス一世の時代に、イギリス・ルネッサンスの本場ロンドンで、劇作家として世に出現。以後、演劇の世界に大きな影響を及ぼし続けている「シェイクスピア」の半生記と彼の創作の秘密を描く「七人のシェイクスピア」Part2の第9巻。


前巻で女王がシェイクスピアの劇を高評価していることわかり、さらには女王の来場もあって、これから巻き直しが図れるかと思っていたのですが、突然、枢密院の命令にとって劇場が閉鎖されてしまった危機をどう跳ね返すかが問われる巻となります。そして、今回、力を発揮するのは、エリザベス女王から「ブラック・レディ(黒い婦人)」と呼ばれることとなる「リー」。彼女の活躍のすごい働きをお読みください。


【構成と注目ポイント】


構成は


第77話 閉鎖

第78話 直訴

第79話 ミス・ブラント

第80話 雪の夜

第81話 ウエストミンスター

第82話 黒い婦人

第83話 匂い

第84話 期日

第85話 乙女VS.猛将


となっていて、劇場閉鎖によって、劇場戦争が突然の終結をしてしまうのでは、という絶体絶命のピンチを迎えます。


折角、バーベッジの息子のカスバートがその人付き合いの才能で、海軍大臣一座に反感をもつ劇団から脚本を集めてきているのですが、これも無駄になりうそうな気配です。


ヘンズロウとバーベッジの取り決めで閉鎖になればそこで終了と決めていたようですが、今のところ、ストレンジ卿一座は大きく、海軍大臣一座に大きく水を開けられています。さらにロンドン市長の命令と思われていた閉鎖が、実は「枢密院」の命令ということで、これを解除させるにはかなりの大物の手助けが必要となります。


シェイクスピアは、ここでエリザベス女王に「直訴する」という非常手段をとります。最初は、スタンレー卿婦人アリスを通じて、侍女のマーガレットを動かそうとするのですが、この仲立ちをするのは、「ジョウン」です。


彼女は、以前、忍び込んだ時に、黒い髪の少女が机に向かって書物をしているところを目撃した、と主張します。そして、女王に会うためには、シェイクスピアの「創作」の秘密を明かすよう要求してきます。ここでワースが勝負に出ます。時と場所を改め、「詩の女神」リーを女王に合わせることを承知します。


ストレンジ卿の時といい、今回といい、さすがビジネスの世界で才を発揮しているワースは、勝負のしどころを心得ているようです。


数日後、いよいよ女王から面会の使いが来ます。合う場所はウェストミンスター寺院の横の教会。女王は、シェイクスピアの「詩の女神」に会えるのを楽しみにしているのですが、気性の激しい女王のことなので、なにか逆鱗にふれることがあれば、リーだけでなく皆の命はおそらくありません。


ストレンジ卿のときと同じくカーテン越しに女王とリーは面会するのですが、最初に現れた「女王」が、リーは「私に会いにきたのは、あなたではないでしょう」と替え玉であることを即座に見抜きます。


これを横で見ていたエリザベス女王は、リーの不思議な能力を信用し、姿を現した後、人払いを命じます。

そしてここからは、リーの本領発揮ですね。


二人っきり(といっても手助けする人間としてミルだけは残っているのですが)となった女王の、エリザベス女王とエセックス伯が一緒になれるかどうか、という質問に対し、リーの答えは「結ばれることはないでしょう」と冷酷なものです。逆上してリーに詰め寄る女王に対し

今すぐに、行ってみてはどうですか

と言い切るところは、「預言者」の風格十分ですね。そして、急遽、宮殿に戻った女王が見たものは・・・、というところです。


この後、エセックス伯は寵愛がさめなかったせいか、追放とか失脚とかはなかったようですが、気の毒なのは・・という展開ですね。リーの働きによって、女王は、枢密院を説得し、劇場封鎖を解くことを約束してくれることとなりますね。


ここで、女王の言葉を伝えに来るジョウンを口説き出すのは、シェイクスピアの本領発揮というところでしょうか。


しかし、ここで問題が生じます。女王といえども、そう簡単に、頭の固い枢密院の議員の了解がとれるものでもなく、海軍大臣一座の座長ヘンズロウと約束した期限は刻々と迫ります。そして、とうとう期日到来の日がやってくるのですが、ここで、ワースの相棒・カスバートが見事な働きを見せるのですが、それは・・・といった展開です。


【レビュアーから一言】


劇場閉鎖が解かれて、ようやく上演されることとなった「ジャンヌ・ダルク」なのですが、そこで演じられるジャンヌ・ダルクはフランス皇太子を蹴りつけて

私が神から授かったのはイングランドを鞭打つ役目

今夜、敵の囲みを破ってみせるわ

といった大言壮語したり、イングランドの英雄・トールボットに対し剣を突きつけるなどやりたい放題です。まあ、こういった「強いジャンヌ」に観客はメロメロっぽいのでシェイクスピア・チームの勝利ではありますね。

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