つづら殿の「隷付喪神派」の陰謀をぶち壊せー浜田よしかづ「つぐもも」18〜22

2021年5月5日水曜日

つぐもも

t f B! P L

 母親ゆかりの帯である正絹爪掻本綴袋帯「あやさくら」が年月を経て意識をもつようになった付喪神「桐葉」と、彼女の”ご主人さま”的立ち位置のはずなのだが、完全に下僕扱いされている主人公「加賀見一也(かずや)」が、ひきよせられてくる妖怪や人の呪詛や想いが結集した怪異「あまそぎ」を調伏していく、お色気満載の現代版「陰陽師」物語の第18弾から第22弾の「つづら殿」編。


前巻までで、つくも憑きとして復活した”かずや”の母親「奏歌」によって、土地神の「菊理姫」を斃され、つぐももの「桐葉」も破壊され、しかも、「奏歌」がつくも憑きとなった原因が自分にあることを知りつつ、三年後に奏歌を倒すために「つづら殿」へやってきた”かずや”の修行の日々が描かれます。


構成と注目ポイント


第18巻 笛の「響華」復活、「かずや」の新しいパートナーに


第18巻の構成は


第87話 響華

第88話 響華2

第89話 交渉

第90話 作戦会議

第91話 かずやのパートナー

第92話 かずやと響華


となっていて、奏歌打倒の修行のために「つづら殿」に着いた途端、隷付喪神派のクーデターに巻き込まれ、織小花とともに牢にいれられた”かずや”が、「笛」の付喪神・響華の協力で脱出を図ります。


笛の響華は、「迷い家」の刺客の一人で、笛を使っての攻撃技を使う付喪神です。笛の衝撃波で「くくり」の従者・黒耀の小骨を折った拷問まがいの攻撃をして、”かずや”に破壊されかけて、霊力を使い果たしてから久々の復活です。


そして、”かずや”や”織小花”は、響華や、「隷付喪神派」内の隠れ親付喪神派の力を借りて、収監されている親付喪神派幹部の救出も行い、「つづら殿」内の意思決定機関「九殿冠」のメンバーを再選出する「九殿武闘会」を開催させることに成功します。「武術」の対抗戦で大事なことをきめていくってのは「ドラゴンボール」や「幽々白書」以来の日本マンガの伝統かもしれません。


今巻では、霊力を失ったままの付喪神の緊急復活をするために、”かずや”の霊力を使っての「霊交合」のシーンが多数出てきたり、隷付喪神派の親玉・斑井たちが、武闘会の勝負の行方に大きな影響をもたらす「傀儡帯」の隠し場所を、織小花元頭目から聞き出す際に、風呂場で吐露香で意識を失わせた上で体を「ふにふに」させて聞き出したり、と各種のサービスシーンが用意されているのも特徴です。


第19巻 鎖のすそはらい「田鎖」妹の巣立ちの闘いの行方は?


第19巻の構成は


第93話 九殿武闘会

第94話 だるまさんがころんだ

第95話 傀儡帯

第96話 風呂敷世界

第97話 兄弟の鎖


となっています。


今巻では第6戦までの勝負の行方が描かれます。全体の対戦相手はこんな様子です。


織小花が、この「九殿武闘会」に開催を望んだのは、隷付喪神派のほうの格付けは上げ底になっていて、親付喪神派のほうが格付けは同じでも実力は上のためなのですが、実力で下回るはずの隷付喪神派の選手が、親付喪神派の選手を負かす事態が連続します。


そこには、付喪神を複数使役するという大技が使われているのですが、霊力の低い術者がそうするために、斑井が織小花から在り処を聞き出した「傀儡帯」という”禁じ手”使われていることがわかります。「傀儡帯」は術者の霊力消費なく、極限まで付喪神を使えるもので、隷付喪神派の選手は、「迷い家」の付喪神をそれによって使い潰すつもりですね。


この「傀儡帯」の使用によって隷付喪神派が俄然優位な試合展開となってきます。


そして、この巻の読みどころは「鎖」の付喪神を使う田鎖たくみvs田鎖たかのの兄妹対決です。今まで妹の一挙手一投足に目を光らせ、指導をしてきた兄に対し、初めて独立の意思を見せた妹「たかの」の戦いに注目です。


”かずや”の指導を受けて新しい技で兄の攻撃をしのぎ、兄の「軛(くびき)」を破壊します。


第20巻 織小花、すなおの美少女たちの闘い


第20巻の構成は


第98話 第六試合解説

第99話 織小花央姫1

第100話 織小花央姫2

第101話 反省会

第102話 煤墨対すなお

番外編 加賀見家の日お条


となっていて、第99話・第100話では、「つづら殿」の元頭首の織小花央姫の登場です。


以前、格下のすそはらいに捕縛されたこともありその実力に不安があった彼女で、序盤では、かつての弟子を優しく、傷つけずに成長させるという央姫の教育方針から、かつての弟子・四百伊織の攻撃に苦戦します。


しかし、途中で彼女の厳しさを体現する「分身」と入れ替わり、相手を圧倒します。


そして、織小花の圧勝か、と思われた時、斑井がしかけた罠が発動し、まさかの結末を迎えます。


続く第8戦では「狐面」をとって正体を明らかにした「皇すなお」が墨つぼの付喪神使い・煤墨と対戦します。


ここで、「すなお」は、つづら殿在籍当時の札付きの問題児「小宮のすな鬼」としての悪行を暴露されてますね。


しかし、現時点の「すなお」は当時の、すぐ頭に血が上って猪突猛進する彼女ではありません。


と相手の煤墨が評価するほどの「手練」に成長しているのですが、勝負の行方は次巻で。


第21巻 「すな鬼」すなおの成長を思い知れ


第21巻の構成は


第103話 煤墨対すなお2

第104話 煤墨対すなお3

第105話 武闘台復旧

第106話 かずや対斑井1

第107話 かずや対斑井2


となっていて、前半部分は、前巻からの「煤墨対すなお」戦の続きです。


まず墨つぼから発せられた「黒糸」で周囲を取り囲まれた「すなお」に向けて、煤墨の墨つぼによる連打が浴びせられます。これを「すなお」が「霊剣斬剛閃」の剣技で糸ごと叩き切るなど、互角の勝負が続きます。そして、墨糸を全身にまとい、防御力と攻撃力を桁違いに上げた「煤墨」と、”かみがかり”の状態になった「すなお」が最後の勝負に出るのですが、勝負の行方は・・・という結末は原書のほうでお読みください。


ついでに、この死闘のためぼろぼろに疲弊した「すなお」を「かずや」がパワーを取り戻させる霊力回復”霊交接”のサービスシーンがありますので、お楽しみに。


後半部分では、いよいよ最終決戦、「かずや」と「斑井」との対戦が始まります。

対戦前に、斑井は、隷付喪神派のリーダーとして、

いくらでも付喪神を使い捨ててやる

と宣言します。この闘いは、親付喪神派と隷付喪神派の最終決戦でもありますね。


闘いの方は、「笛」の付喪神・響華を使う「かずや」が「呼霊」でぶちかませば、相手をする斑井は「蔵」の付喪神と、音を封じる迷い家出身の付喪神・三条杖の複合攻撃で応戦します。


音による攻撃を封じられた「かずや」がどう反撃するか、が序盤の読みどころです。


第22巻 ”かずや”大爆発。禁断の「人憑」


第22巻の構成は


第108話 かずや対斑井3

第109話 かずや対斑井4

第110話 かずや対斑井5

第111話 武闘会その後

第112話 かずやの寝てる頃に


となっていて、いよいよこの巻で「九殿武闘会」の決着がつきます。


三条杖に巻かれていた「傀儡帯」を焼き切り、三条杖を斑井の拘束から解放したのですが、斑井は残る傀儡帯2本を、彼が使う「蔵」の付喪神・蟲心蔵(ちゅうしんぐら)に使います。

この「蟲心蔵」は収められた道具の軽度損傷を修復する能力と保管能力をもっているのですが、ここに「傀儡帯」2本を使うことによって、蔵内に収蔵されている「迷い家」の多くの付喪神を「生きたまま解体し、再構成」し、それを自在に操るという作戦ですね。


まさに付喪神を「道具」として使い潰す隷付喪神派の真骨頂なのですが、まあ、これを見た「かずや」は激怒しますわな。怒りのあまり、彼が付喪神・響華に取り憑き、限界以上の力を引き出す「人憑」となって、斑井に襲いかかります。


その力がすさまじく、斑井をぼこぼこに圧倒するのですが、その力の凄さは反作用を生み・・ということで、響華の「笛」が折れてしまいます。「つくも憑き」が人を破壊してしまうのとは逆に、「人憑」は憑いた付喪神を破壊してしまうんですね。

相方の付喪神が倒れ、一転して強気になった斑井は、「かずや」を叩き潰す技を仕掛けてくるのですが、それを救ったのは、なんと「桐葉」復活です。

復活した桐葉+「かずや」のコンビで、斑井の「多機能付喪神」の弱点を見抜いて大逆転していくのですが、その詳細は原書のほうで。


レビュアーから一言


この「つづら殿」編の最後のところで、奏歌によってずたずたにされた「桐葉」が、「針」の付喪神・糸信(しのぶ)の技”霊糸縫”によって復活します。


実は第18巻のところで、”かずや”が18人の付喪神と契約をするところで、「針」の付喪神・糸信(しのぶ)が「19人では?」と不審がるシーンがあるのですが、そこが「桐葉」復活の伏線になっていたわけですね。

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