アイヌの少女「アシリパ」は金塊探しの旅へ出る = 野田サトル「ゴールデンカムイ」1(ヤングジャンプコミックス)

2021年7月31日土曜日

ゴールデンカムイ

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アイヌの娘「アシリパ」と日露戦争で死線を潜りぬけ「不死身の杉元」と呼ばれた杉元佐一、日本中の監獄を脱獄した経歴を持つ「脱獄王」白石由竹たちが、明治期の北海道を舞台に、かつてアイヌ民族が明治政府打倒のために集め、その後どこかに隠された大量の金塊を巡って、幕末の新選組の生き残りの土方歳三や永倉新八、日露戦争で頭蓋骨の上半分を失った情報将校・鶴見中尉が操る日本陸軍最強と言われた第七師団と、金塊の在り処を記した「刺青人皮」の争奪戦を繰り広げる、明治の北海道版ゴールドラッシュストーリー『野田サトル「ゴールデンカムイ」(ヤングジャンプコミックス)』の第1弾。


構成と注目ポイント


構成は


第1話 不死身の杉元

第2話 ウェンカムイ

第3話 罠

第4話 のっぺら坊

第5話 北鎮部隊

第6話 迫害

第7話 脱獄王


となっていて、まず日露戦争で瀕死の重傷を負っても翌日には戦線に復帰し、銃剣や機関銃、砲弾でも殺せないとして「不死身の杉元」と異名をとった元陸軍兵士・杉元佐一が北海道の川で砂金掘りをしている場面から始まります。彼は戦友との約束で、目の悪い戦友の妻(杉元の幼馴染でもあるようです)の目の治療費を稼ぐため、一攫千金を狙って北海道に来ているようです。


しかし、すでに北海道の砂金のゴールドラッシュは終盤を迎えていて、全く収穫なないのですが、砂金掘り場に居合わせた酔っぱらいから、アイヌ民族を圧迫する日本人に抵抗する軍資金として、アイヌ民族が集めていた大量の砂金を溶かした金塊を、ひとりの男が分捕り、どこかに隠したという伝説を聞きます。

その男は金塊を隠した後、警察に捕まり網走監獄に死刑囚として収監されたのですが、同房となった囚人たちの体に埋蔵金の在り処を暗号化して入れ墨として残したということで、その囚人たちの入れ墨を集めると金塊の場所が判明する仕掛けになっています。


その死刑囚は、それが彫られた囚人たちに脱獄をすすめ、成功した奴には金を半分やると約束するのですが、それを聞きつけた屯田兵の一部が、死刑囚を連れ出し、金塊の横取りを狙うのだが、移送中に護衛の兵隊を囚人たちが逆襲し、皆殺しにして森へ脱走。死刑囚はまんまと、刑務所の外へ、金塊の位置を表す地図を放つことに成功するわけですね。


まあ、普通考えれば、酔っぱらいの「与太話」と思えるものなのですが、杉元は、その話をした酔っぱらいに「しゃべりすぎた」と殺されそうになったり、羆に襲われて絶命したその男の体に、奇妙な刺青を発見し、伝説が本当らしいことを確信します。


そして、羆の食料にならないよう死体を隠している最中に、羆に襲われるのですが、そこに現れ、毒矢で羆を倒したのが、このシリーズの主人公、アイヌの少女「アシリパ」です。その後、死体の奪還を狙った羆を連携プレーで倒して意気投合し、共同して金塊探しをすることになります。


実は、「アシリパ」の父親は、金塊の隠し場所を移動させている道中に他のアイヌの仲間と共に殺されているという事情もあるようです。


囚人たちを捕まえ、彼らの体に彫られた「入れ墨」を模写して情報を集める「アシリパ」と「杉元」は、捕らえた囚人の刺青を写しているうちに、その囚人の頭が撃ち抜かれたり

して、金塊の地図となる「刺青人皮」を探しているのは、自分たちだけでないことを知ります。ここで、杉元はこれからのシリーズを通じて、アシリパたちと深く関わっていく「尾形」とバトルをすることになります。


そして、入れ墨を持つ囚人の一人「脱獄王」の「白石由竹」を仲間に引き入れ、彼からの情報によると、日本最強といわれた第七師団や、新選組の副長で箱館戦争で戦死したといわれる土方歳三も狙っていることを教えられるのですが、その目的は・・・といった展開です。


レビュアーの一言


このシリーズの読みどころは、アイヌ民族のもっていた大量の金塊を巡っての大争奪戦なのですが、それと並んで、「いい味」出してるのが、アシリパちゃんによる、アイヌ民族の民俗紹介、特に彼女が北海道のあちこちで獲った獲物を使った料理です。


今回はエゾリスを使った、まるごと頭から山刀(タシロ)で叩いてつくる「チタタプ」です。

肉のタタキみたいなもんでしょうか。本来は生で食べるものらしいのですが、今回、アシリパは、杉元のために「鍋物」仕立てにしてくれてます。杉元の感想は

肉は臭みがなく

ほんのりと甘くて木の実の香りがある

柔らかい肉の中に

細かく刻んだ骨のコリコリとした食感がよい

というものでアシリパは「ヒンナヒンナ」と言っています。「ヒンナヒンナ」っていうのは食事に感謝する言葉だそうですが、ここは「ウマイ、ウマイ」と意訳しておくべきでしょう。

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