「藤」の封印してきた同期の「ひき逃げ事件」が解決=「ハコヅメ 交番女子の逆襲」10〜12(モーニングKC)

2023年9月30日土曜日

ハコヅメ

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 日本の架空の都市、岡島県町山市の市街地から離れた田舎にある町山署の町山交番に勤務する、安定した職場と収入を求めて警察官となった新人巡査・川合麻依をメインキャスト、警察官にふさわしくない美貌と、男性警察官を上回るゴリラ的精神をもつ川合の指導をするペア長・藤聖子巡査部長、抜群の取り調べの才能とチャラさを併せ持つ刑事課の源誠二巡査部長、源に忠誠を誓う山田武司巡査をサブキャストに、警察の内部情報に溢れたポリス・ストーリーのシリーズ『泰三子「ハコヅメ 交番女子の逆襲」(モーニングKC)』の第10弾から第12弾。


あらすじと注目ポイント


第10巻 麻衣のペア長・藤に過去のパワハラ疑惑が・・


第10巻の構成は


その81 事故防衛本能

その82 燃えよ牧

その83 画伯の苦悩

その84 センチメンタル刑事

特別編 同期の桜1

その85 女子会再び

その86 古き良き悪習

その87 憧れのロボコップ

その88 聞き込みの定石


となっていて、冒頭の「事故防衛本能」は、若い女性と高齢の男性との出会い頭の衝突事故の処理です。自分のほうが青だったと主張する女性に対し、動転したのかボケているのか男性のほうは反論もできず、さらに、女性から事故後の話し合いの途中で男性が「お触り」までしてきたとの主張も。ただ物証がないため決め手がなく聞き取りが進むのですが、そこへウォーキング中に通りかかったという青年が証言を申し出てくれて・・という展開です。

善意の第三者が現れてメデタシメデタシとなるところでは、その先に落とし穴のあるのが、このシリーズの人の悪いところです。


中盤では、町山署刑事課に勤務する「山田」の異動の話がもちあがります。とはいっても、操作一係から鑑識係への異動で、部屋内異動で、後任も留置係をしている同期の「上杉」なので、そうたいした異動でもないのですが、もともと異動の少ない部署なので結構な騒ぎになっています。ところが異動内示日になってみると・・という筋立てです。

まあ、この異動騒ぎがボヤで終わるのですが、この流れで、川合が、ペア長の藤がかつてパワハラで刑事課から町山交番に異動してきた、という噂を聞きつけてしまい、ここか藤が抱えている「秘密」の存在に気がついてしまいます。


後半では、署内一のイクメン刑事として知られる生活安全課「益田刑事」は、その生真面目さのため、補導する少女たちの受けはよくないのですが、今回は虐待疑惑のある幼児とその母親への対応で思わぬ力を発揮しています。


第11巻 「藤」の町山交番異動の真の理由が明らかになる


第11巻の構成は


その89 いつも畏敬の念を

その90 未来はボスゴリラ

その91 裏取り引き資料

その92 あきらめの一線

その93 見えないものを感じとれ

その94 誰が為に描く

その95 同期の桜2

その96 運命の出会い

その97 希望の一枚


となっていて、第二話では「藤」と彼女の幼馴染「如月」が小学生の頃に遭遇した事件と二人が警察官となるきっかけとなった交通課の「宮原」とのエピソードが描かれています。藤が変質者に乱暴されそうになって間一髪助かった話はここででてくるのですが、これが如月のその後にも大きな影響を及ぼしていたことは、また後のエピソードででてくることになります。


なかほどでは、妻からの架空のDV被害を訴えてくる認知症の初老の男性を保護するのですが、彼の家に同行したところで、キレイに片付けられた部屋の様子に「藤」があることに気づき、未然に事件を防ぐことに成功します。


後半部分では、前巻ででてきた「藤」の秘密が明らかになります。

少しネタバレしておく、彼女の同期に「桜」という女性警察官がいたのですが交通事故の現場で、「桜」が白い軽トラにひき逃げされた大怪我を負ってしまいます。ちょうど夕方の交通渋滞の時間で、さらに近くで重傷の交通事故が起きていたために救急車の到着が遅れてしまいます。さらに、突然の雨で現場に残されていた証拠も消されてしまい・・という展開です。この「桜」をひき逃げした犯人を探すため、「藤」が事故の起きた現場を管轄する「町山交番」へ、「パワハラで異動」というデマを流して移動してきた、という展開ですね。


ちなみに、この段階では「桜」は亡くなったフラグがでているのですが、これは後巻で修正されることになります。


第12巻 「桜」のひき逃げ事件、解決。そして、その祝の席に現れたのは・・


第12巻の構成は


その98 定時退庁至上主義

その99 いざ、聴取へ

その100 おとうさんといっしょ

その101 怪しすぎた男

その102 山の奥でつかまえて

その103 同期の桜3

その104 同期の桜4

その105 星の数だけ

その106 ピョンピョン捜査


となっていて、冒頭から前巻から始まった、「桜のひき逃げ事件」の再捜査が始まっています。ここでモノをいったのが、川合の描く「芸術大爆発」の似顔絵です。これが、二人の子供を抱え、「定時退庁」を信条とする女性警察官の目に触れ、新たな容疑者が浮上してきます。


その容疑者は、20年以上前、妻と子を捨てて行方をくらましていた「木村」という男性で、その捨てられた娘が岡島県警の警察官となっていたことがわかります。


3年前の「桜」のひき逃げ事件の際は、町山署の管内で勤務する女性警察官のことを離れてじっと見つめてくる「守護天使」とあだ名をつけられていたおかしなおじさんが出没してて、彼が事件と何か関係していたのでは、と疑われていたのですが、この「守護天使」と「木村」とが同一人物ではないか、という疑いがでてくるわけですね。


しかし、ひき逃げ事件近くで目撃された「軽トラ」は今にいたるまで、見つかっておらず、木村の勤めている戸成農園にも同じような白い軽トラはあったのですが当日、そこの社長が営業で県外に乗って出ていたという証言もあり、その後、その軽トラは廃車されたとのことで、今となっては調べたい物証がなくなっているようなのですが。実は・・という展開です。


巻の後半では、「藤」が今まで封印してきた同期の「桜」のひき逃げ事件が解決するのですが、その先に驚きの出来事が起きてきます。


レビュアーの一言


ここまでは、メスゴリラと呼ばれる「藤」やオカッパの「川合」など女性警察官を中心に、町山署内でのドタバタの警察モノとして展開してきた、このシリーズなのですが、このタームになって、そのトーンが変わり、「藤」を中心とした女性警察官が同期を襲った犯人を突き止めていく、という刑事モノが中心に描かれています。

このあたりからこのシリーズが、まっとうな「ポリス・ストーリー」へとなり、「お仕事マンガ」として変貌していったように感じます。

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日本の人口最少県の住人。なりわいは行政書士。読書好き、ガジェット好きの昭和人です。

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