屋形のおかあさんと売れっ子芸妓の確執の原因が明らかになる=「舞妓さんちのまかないさん」23〜24(小学館)

2023年9月18日月曜日

舞妓さんちのまかないさん

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 一流の舞妓となることを目指して、青森から京都へやってきた「すーちゃん」こと「すみれ」と舞妓さんたちに日々の食事を出し、掃除洗濯など屋形を支える「まかないさん」となった「キヨ」の頑張る毎日が描かれる『小山愛子「舞妓さんちのまかないさん」(小学館)』シリーズの第23弾から第24弾。


前巻までで、「すみれ」こと「百はな」も「舞妓ちゃん」から「芸妓」への道を着々と歩み始め、一年前に屋形にやってきた仕込さんの理子も舞妓とデビューして「市」の将来も順風なのですが、ここで喉の刺さった骨となる市のおかあさんの「あずさ」と百はなの姉芸妓「百子」との対立の原因が明らかになってきます。


あらすじと注目ポイント


第23巻 「市」のおかあさん「あずさ」と天才芸舞妓「百子」は大親友になる


第23巻の構成は


第240話 もうひとつの、ものがたり

第241話 キラキラな関係

第242話 真逆なふたり

第243話 分けあったもの

第244話 並んで、憧れて

第245話 ひとりの夜

第246話 心のままに

第247話 恋する気持ち

第248話 あずさのために

第249話 いじっぱり

第250話 あたり前に


となっていて、冒頭では、舞妓たちの化粧部屋の姿鏡に貼られている「百子」と「千佳子」という二つの「花名刺」を見て思い出にひたる「市」のあかあさんの「あずさ」と新しい花名刺のデザインを探している「百はな」の姉芸舞妓「百子」の姿が紹介されています。ここから、本編のほうは、今から数年前、神奈川から舞妓になるために上京してきた「広瀬あずさ」後の芸舞妓「千佳子」と、屋形「市」の娘の「夕子」こと後の「百子」の物語へと移ります。


「百子」は「舞踊」の才能は抜群なのですが、寝ることと食べることが大好きで、コミュ障の傾向が強く、きまぐれな猫のように人には懐かないのですが、どういうわけか初対面のときから「あずさ」には心を許していて・・という筋立てです。

あずさのほうも「夕子」の才能にあこがれていて、双方がいい刺激を受けながら、芸を磨き、それぞれの心の動きから体調までを思いやることのできる存在となっていく姿を原書で確認してみてください。


第24巻 「あずさ」と「夕子」のわだかまりが溶ける時


第24巻の構成は


第251話 お祝いの日

第252話 ふたりだから

第253話 一緒じゃなくても

第254話 半分こ

第255話 異変

第256話 夢

第257話 話したいこと

第258話 一番近くで

第259話 今日の屋形では

第260話 またこの場所で。

第261話 大切な人


となっていて、この巻の冒頭ではいよいよ「あずさ」改め「千佳子」、「夕子」改め「百子」の「お店だし」です。


天性のおどりの才能でお座敷を華やかにする「百子」と、その性格のよさと気遣いでお客の心をつかむ二人の存在は、TVのドキュメンタリーで特集されるほどで、彼女たちの姿を見て、舞妓志望者も増えるという程なのですが、千佳子と百子もそれぞれが相手の長所を参考にして、自らの短所を克服していて、スパイラル的に成長していってますね。


このまま切磋琢磨しながら、二人で「芸道」を極めていくのだろうと思われたのですが、ここで大きな転機が訪れます。


屋形「市」の女将さんが体を壊してしまい、これを機に「屋形」を閉じることを決心した、ということを聞いて、「市」が第二の実家ともいえる存在に思えていた「千佳子」こと「あずさ」はある決心を固めます。


それは、芸妓をやめて、屋形を継ぐということなのですが、それは生家の「市」を捨ててでも芸の道に邁進する「百子」から離れることでもあり、実の娘である「百子」を差し置いて「屋形」を継ぐ、ということでもあって・・という展開です。


自らの口から「屋形」を継ぐ思いを語って、「百子」の理解を得ようと考えていた「千佳子」だったのですが、「百子」はあすさから聞くより先に、彼女が「市」を継ぐ決心をしたことを聞き、あずさに絶縁を告げるのですが・・という展開です。


ここから数年間にわたる、「百子」と「あずさ」との冷たい関係が続いていくのですが、この関係を溶かしたのが「百はな」こと「すみれ」と「キヨ」の関係ですね。


「百はな」が「百子」の妹分となることによって、「百子」は「あずさ」が芸妓を引退して、屋形のおかあさんになることを決心した理由を知ることになるのですが、詳細は原書のほうでご確認を。


レビュアーの一言


少しネタバレしておくと、「あずさ」が芸の道を諦めたのは、「おどり」の道を極めようとする「百子」の才能に及ばず、彼女に伴走できないことがあったのですが、その意味では、「舞妓」になることを早々に諦め、「まかないさん」になった「キヨ」と「すみれ」の関係は始めからそんな感じなのですが、「あずさ」のように気負うことなく、「すみれ」を支えてている「キヨ」ちゃんはあらためて健気でよいな〜と思います。

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