日本連合艦隊の真珠湾の奇襲は成功。しかし決定打を打てず=「アルキメデスの大戦」33〜34(ヤングマガジンコミックス)

2023年9月4日月曜日

アルキメデスの大戦

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 第二次世界大戦へと進んでいく日本の運命を変えるため、その象徴となる「戦艦大和建造」の運命を変えようと、海軍に入り、内部から太平洋戦争をとめようとする天才数学者の姿を描いたシリーズ『三田紀房「アルキメデスの大戦」(ヤングマガジンコミックス)』シリーズの第33弾~第34弾。


前巻までで、陸軍と海軍との対立もはらみながら、日本国民の浮かされたような熱気に押されて、太平洋戦争開戦へと突き進んでいくのですが、櫂が対米戦での勝利の必須条件と掲げる「大和」の参戦に平山造船中将の妨害活動がはいる波乱含みの真珠湾攻撃が始まります。


あらすじと注目ポイント


第33巻 真珠湾への奇襲攻撃は成功するが、数学好きの栗原は負傷


第33巻の構成は


第319話 開戦前夜

第320話 12月7日

第321話 奇襲成功

第322話 トラトラトラ

第323話 異変

第324話 一斉攻撃

第325話 ランドルフ砲台

第326話 反撃

第327話 空中戦

第328話 戦果の第一報


となっていて、冒頭では日本本国から送られてくる暗号電文の宣戦布告分をタイプ打ちする在米日本大使館の様子が描かれます。時間ギリギリに入電する上に、すべてタイプ打ちしろという本国の命令で攻撃開始には間に合いそうもないのですが、当時の日本外務省の「杓子定規さ」を見せているようです。


一方、その打電内容をすでに傍受し暗号解読して、日本軍の攻撃が近いという情報を知りながら日時、場所が特定できなかったため、大統領への報告がなされなかったアメリカも同じような「お役所仕事」ですね。


そしていよいよ開戦当日の12月7日を迎えます。


「赤城」をはじめとした空母から第1次攻撃隊の183機、第2次攻撃隊の170機の零戦、艦爆、艦攻がハワイの真珠湾へ向けて飛び立ちます。

日本機をレーダーで捉えたもののアメリカ本土からの訓練機と誤認したアメリカ軍は迎撃体制をとることなく、奇襲は見事に成功します。


ただ、第1次攻撃隊の隊長の打った信号弾が味方の艦爆部隊が誤認して。総攻撃をしかけてしまいます。奇襲攻撃は成功するものの、これが後々、禍根となってくるのですが、詳細は原書で。


ちなみに、ランドルフ砲台の爆撃に向かった栗原の爆撃機は放題を破壊するものの、対空砲に砲弾が至近距離で炸裂し、来原は腹部を負傷してしまいます。相当の深手なのでですが、その結末は次巻で。


第34巻  真珠湾への徹底攻撃に切り札「大和」はどこに?


第34巻の


第329話 リメンバー・パール・ハーバー

第330話 宿題

第331話 答え合わせ

第332話 論理と葛藤

第333話 決断

第334話 想定外

第335話 未だ見つからず

第336話 汚名の日

第337話 待ち構える

第338話 開戦


となっていて、前巻で日本軍の真珠湾奇襲は成功するのですが、この時、アメリカ軍空母は一隻も真珠湾内にはおらず、不幸中の幸いですね。そして、太平洋艦隊のキンメル司令官は残った艦艇を湾の外へ出港させ被害を最小限に収めようとします。

ただ、真珠湾の湾口は狭いため、ここで日本軍の第二次攻撃が襲来すれば、艦隊が全滅するというのるかそるかの賭けですね。


ここで真珠湾のランドルフ砲台攻撃を行った栗原が腹部に被弾し、流血したままで、空母「赤城」への帰還を目指しています。彼をこの世につんぎとめているのは、櫂に出してもらった数学の問題の答え合わせをする、という一念なのですが・・・という筋立てです。櫂にとって太平洋戦争での身近な人物の戦死です。


アメリカ軍が残った艦艇を湾外へ脱出させようとしているとき、日本軍のほうでは空母が湾内にないことがわかった状況で第二次攻撃を行うかどうかが議論になっています。奇襲を受けたアメリカ軍の猛反撃により、こちらの航空部隊も多くの損害を出すことが明白なため、それを上回る戦果をだせるかどうかが問われているわけですが、この段階で櫂が下した分析と判断は・・という展開なのですが、少しネタバレしておくと、いつも冷酷に戦況を分析する櫂のコンパスが、栗原の戦死によって歪んでしまったようです。


そして、航空部隊による第二次攻撃を中止し、戦艦「大和」率いるsんh艦部隊と合流し、砲撃による二次攻撃を選択した日本の連合艦隊はハワイ西側を南下し、戦艦部隊との合流をすべく、「大和」の勇姿を探すのですが・・という展開です。


レビュアーの一言


日本の連合艦隊の奇襲を受けた太平洋艦隊の司令長官のキンメル大将は、父親は陸軍軍人で、本人はアナポリス海軍兵学校の出身で、第1次世界大戦のときに、フランクリン・ルーズベルト海軍次官(後の第32代大統領)の副官を務めるという生粋のアメリカ軍エリートですね。


ルーズベルト大統領のお気に入りで、太平洋艦隊の司令長官就任時には先輩31人を飛び越して就任しています。


しかし、この日本の連合艦隊の真珠湾攻撃の責任をとらされて、1941年12月にはルーズベルト大統領直々の命令で解任されて少将に降任され、1942年1月の軍法会議では有罪の判決を受け、3月には予備役となっています。


後にお孫さんたちによって名誉回復の運動がおき、上院・下院で決議が採択されたものの、今にいたるまで歴代の大統領は署名していないらしいです。

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