フリーレンは「神技のレヴォルテ」を斃し、黄金都市へ向かう=山田鐘人・アベツカサ「葬送のフリーレン」8・9(少年サンデーコミックス)

2023年12月30日土曜日

葬送のフリーレン

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 「魔王」を打ち倒し、世界に平和と安寧をもたらしてから50年経過後。パーティーの魔法使い役であった、エルフのフリーレンを主人公に、魔王が滅びた後の「その後」の世界が描かれる異色の冒険ファンタジー「葬送のフリーレン」の第8弾から第9弾。


前巻で第一級魔法使い試験にフェルンが合格し、ようやく北部高原へ入ることができたフリーレンたちは、ここで「神技のレヴォルテ」や「黄金郷のマハト」といった最高レベルの魔物たちとの対決が始まります。


あらすじと注目ポイント


第8巻 北部高原に入ったフリーレンは4本の剣を操る「神技のレヴォルテ」と戦う


第8巻の構成は


第68話 北部高原

第69話 皇帝酒

第70話 ノルム商会

第71話 討伐依頼

第72話 将軍

第73話 遭遇戦

第74話 神技のレヴォルテ

第75話 霧を晴らす魔法

第76話 決着

第77話 竜の群れ


となっていて、前半では、北部高原に入ったフリーレンたちは魔物が多く棲息する北部高原で危険を承知で生まれ故郷に住み続ける人々を守ったり、大昔に大陸の大半を統治していて大帝国の皇帝に献上されたという「名酒」を探し求めたり、北部高原の交易を牛耳る「ノルム商会」の依頼雨を受けて銀鉱山を探したり、といった旅を続けています。大きなイベントではないのですが、ヒンメルや昔の仲間たちとの旅を思い出す行程となっているようです。


中盤は、魔法使いを統括するゼーリエの命令で、北部の村を襲い、村に駐屯していたノルム商会の直属軍を全滅させた魔物退治に大陸魔法協会から派遣された一級魔法使いのゲナウとメトーデに加勢して、魔物退治に参画します。村を襲ったのは、四体の魔族で、そのうちの一体は将軍級の魔族で、四本の剣を操り「神技のレヴォルテ」という魔族です。この魔族の操る剣は重さを自在に変えることができ、羽のような素早い動きをみせるとともに、巨岩のように重い一撃を食らわす剣技です。


このデヴォルテにはゲナウとシュタルクが、レヴォルテの部下の「霧を操る魔法」を使う魔族にはフェルンが、「メドロジュバルト(攻撃を旋風に変える魔法」を使う魔族にはメトーデが相手をします。レヴォルテは部下に子供のふりをさせて油断させるなど卑怯な手を使うのですが、ゲナウ・シュタルク二人の同時攻撃の前では的ではありませんでしたね。


さらに、フリーレンに戦闘を一任されたフェルンは魔力を探知されない超遠距離からの「ゾルトラーク(魔族を殺す魔法)」を打つという技を身につけることとなります。


第9巻 都市を黄金に変えた「黄金郷のマハト」の秘密とは何?


第9巻の構成は


第78話 コリドーア湖

第79話 トーア大渓谷

第80話 聖雪結晶

第81話 黄金郷

第82話 万物を黄金に変える魔法

第83話 支配の石環

第84話 命知らず

第85話 話し合い

第86話 好意


となっていて、前半は北部高原での小ネタのエピソードが続きます。コリドーア湖のほとりの港町近くの島に眠るヒンメルの自伝探しや、大渓谷にかけられた橋の通行を邪魔する鳥に似た魔族退治、魔法薬の原料となる「聖雪結晶」の大鉱脈近くに巣食う魔物退治といったエピソードです。


第80話の「聖雪結晶」で魔物を退治し、そこに人が立ち入らないように「対人結界」を張ってくれという依頼主の意外な目的に注目です。


中盤からは「黄金郷のマハト」篇が始まります。


50年前に、七崩賢の一人「黄金郷のマハト」によって都市全体を黄金に変えられた城塞都市ヴァイゼには、大陸魔法協会によって「マハト」が封印されているのですが、そのマハトを閉じ込めている大結界の管理者に新たになった「デンケン」の手助けをしてほしいと魔法協会のレルネンから個人的な依頼が入ります。


フリーレンは過去に「マハト」に敗れた経験があるらしく、気のすすまない依頼のようですね。フリーレンは今までに11人の魔法使いに負けていると告白していて、蘇らせて斃した「クヴァール」と違い、マハトに対しては勝てるイメージがつくりあげられていない、と弱音をはいています。


しかし、故郷の解放に乗り出した「デンケン」の頼みには逆らえず、しぶしぶではあるのですが、マハトを斃す計画に協力することになります。


実はデンケンはこの「ヴァイゼ」の生まれで、マハトは彼に魔法を教えてくれた「師匠」とも言うべき存在です。さらに、フリーレンたちは、マハトはヴァイゼの領主であるグリュック卿の忠実な部下であったことがデンケンから教えられます。


ヴァイゼとはそういう友好的な関係にあったマハトがなぜ都市を黄金に変えてしまったのか、その理由が、レルネンとエーデルが盗み取った彼の「記憶」の中にあると考えたフリーレンはその記憶の解析を始めるのですが・・といったところが今巻までのところです。


レビュアーの一言


第9巻から「黄金のマハト」篇が始まるのですが、すべてのものを黄金に変えてしまう呪い、と聞いて思い出すのはギリシア神話のミダス王の物語ですね。


彼は現在の古代アナトリア(現在のトルコ)にあったフリギアの二代目の国王で、酒の神・ディオニュソスの友人の半人半馬のシーレーノスを助けたお礼に、触れたものをすべて黄金に変える力を与えられたのですが、そのせいで触った食物もすべて黄金に変わってしまい飲食ができなくなった上に、愛娘も黄金に変えてしまったという伝説が残っています。


この伝説は「人生には富よりも大切なものがある」という教訓のようですが、「葬送のフリーレン」の「黄金のマハト」はどんな展開となるのか注目ですね。

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