生安の潜入捜査官「カナ」、歴史小説オタク捜査官「牧高」と曲者女性警察官、次々と登場=泰三子「ハコヅメ 交番女子の逆襲」4〜6(モーニングKC)

2023年9月25日月曜日

ハコヅメ

t f B! P L

 日本の架空の都市、岡島県町山市の市街地から離れた田舎にある町山署の町山交番に勤務する、安定した職場と収入を求めて警察官となった新人巡査・川合麻依をメインキャスト、警察官にふさわしくない美貌と、男性警察官を上回るゴリラ的精神をもつ川合の指導をするペア長・藤聖子巡査部長、抜群の取り調べの才能とチャラさを併せ持つ刑事課の源誠二巡査部長、源に忠誠を誓う山田武司巡査をサブキャストに、警察の内部情報に溢れたポリス・ストーリーのシリーズ『泰三子「ハコヅメ 交番女子の逆襲」(モーニングKC)』の第4弾から第6弾。


あらすじと注目ポイント


第4巻 町山署の潜入捜査官「黒田カナ」登場


第4巻の構成は


その27 トラウマ

その28 正義の研修

その29 くノ一

その30 警察女子会

その31 多感なお年頃

その32 宅飲みの罠

その33 面従腹背

その34 男と女と警察と

その35 地獄はなぜ暑い


となっていて、前半部分は衝突事故で車外に放り出された赤ちゃんの死亡事故でショックを隠せない「麻合」や小学生に「不審な老人」と警戒されてしまう町内会の防犯パトロールのおじいさんなど、小ネタではあるのですが警察の悲哀みたいなものが描かれています。


中盤の「その29」から、生活安全課の潜入捜査官として表にでない活躍をしている「黒田カナ」が登場します。童顔で小柄で、女子高校生に間違われそうな彼女なのですが、その情報収集力と企画力の並外れた才能は驚くべきレベルです。


今巻では、公園で露出癖のある男子高校生の検挙や、自殺を図って自宅の部屋に籠もった女性の対応、嫉妬深い男性と何度も別れ話が出ながら、その度にヨリを戻している女性が本当に浮気して、男性が凶暴なストーカーに変わってしまう事件で「カナ」が大活躍しています。


第5巻 捜査一係の歴史小説オタク「牧高」登場


第5巻の構成は


その36 制服の作用・副作用

その37 睨む大捜査線

その38 涙は女の手榴弾

その39 世紀の小芝居

その40 継続は微力なり

その41 強き者の苦悩

その42 発砲ふさがり

その43 出る杭は制圧される

その44 ポリスマンズ・ハイ


となっていて、中盤では捜査一係の「牧高」が今回初登場ですね。今回は、酔っ払って街で暴れていた男性のような風貌と格好をした大柄な女性をなだめるために、風邪で寝込んでいる「藤」に代わって、「麻合」が「黒田カナ」や「牧高」と小芝居を演じるのですが、牧高の「司馬遼太郎の歴史小説」オタクが活きているのかもしれません。


中盤の「強き者の苦悩」は、女ゴリラといわれている藤聖子巡査部長が恐れる、警察学校の女性教官「葵」のマリッジブルーのお話。完全無欠で武道にも通じた女性の悩みはちょっと特殊です。


第6巻 初のガサ入れで「麻合」が被疑者の心を開く


第6巻の構成は


その45 セーグのミカタ

その46 腹スメント

その47 鑑識の常識

その48 非”情事”態発生

その49 現場のプリキュア

その50 笑ってはいけないお誕生会

その51 手心と親心

その52 似顔絵ソウル

その53 AV勧進帳


なっていて、冒頭の「セーグのミカタ」では、初めてガサ入れの捜査に参加した「麻合」が、ゴミ箱のすみずみまで調べて、被疑者の顰蹙をかうのですが、彼女の意図が頑なな被疑者の自供へと繋がっていきます。


なかほどの「非”情事”態発生」では、地元の友人との合コンで彼女ができた「山田」がいそいそとデートにでかけるのですが、案の定、非常呼び出しがかかります。事案が発生すればプライベートはほったらかしになる警察官であることを考え、一般女性の彼女との早すぎる別れを決断する「山田」だったのですが・・という筋立てです。

物語的には、警察官の悲哀を感じさせるストーリーなのですが、彼女のほうから食事を誘ってきた、というところに実は罠が隠されています。


後半では、第3巻で「似顔絵」の才能を発見された「麻合」が似顔絵捜査官として初の出動です。やはりヘタウマの典型のような「気持ち悪い」と被害者に言われてしまう似顔絵なのですが、これが犯人検挙に結びついていきます。


レビュアーの一言


今タームの注目はやはり、生安の隠れたエース捜査官「黒田カナ」と、捜査一係の紅一点「牧高」の登場ですね。


二人とも、「女ゴリラ」と陰口をたたかれる藤聖子と違って、乱暴さのほとんどない女性警察官なのですが、その秘められた力は藤とはタイプがことなるものの相当なものなので、詳細を原書のそこかしこで確かめてみてくださいね。


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