信長のシェフ第19巻は、現代から戦国時代へと紛れ込んできた原因とその同僚たちとの別れの巻といっていい。
収録は
第158話 あの日の出来事
第159話 この時代で生きること
第160話 瑤子の処遇
第161話 命がけの馳走
第162話 証となる一品
第163話 瑤子と顕如
第164話 松田の罪
第165話 妖術使い果心
となっていて、まずは、第158話で、前巻の最後に、本願寺の敗残兵の銃弾を受けて負傷した「ケン」の看病をしている「瑤子」の口から、この戦国時代にタイムスリップした原因らしきものが語られたり、第164話では、「松田」の口から、同じくタイムスリップした他の同僚の様子とかが語られる。
今巻でそこらあたりが語られるのは、瑤子や松田の身の振り方が一応の決着をみるのと無縁ではなさそうで、刀鍛冶の「夏」との関係といい、どうやら、石山本願寺の籠城をきっかけに、信長の包囲網に毛利、上杉が加わり、信長の天下布武の動きも新しい展開になることと軌を一にしているのであろう。二人の身の不利先は、「ケン」とは、ちょっと縁遠くなりそうな所だね、とだけいっておこう。
こうしたタイムスリップものは、歴史的事実というのは、はっきりしているので、当然、この話でも、信長は本能寺で命を落とすはずである。そこらあたりは、筆者も心得ているはずで、天王寺砦の戦で信長が鉄砲傷を負わなかったところで歴史改変にもっていくか、あるいは、「ケン」が羽柴秀吉から「もし、上様の所をお役御免となったら、わしに仕えぬか?」という問いかけを断るも、「何か、秀吉さんがお困りで、俺に出来ることがあるなら、すぐに駆けつけます」といったところで、信長死去後の展開につなげる布石なのかは、本能寺の変が近くなっているので気になる所ではある。
今回は、注目すべき人物は特になし。気になったのは久々に料理の方で、瑤子を顕如の元へ帰すため、信長を説得する「明石焼き」とか、瑤子の人質交渉に使われる「スフレ・シーフードソースかけ」とかは、今でも美味そうでありますな。
さらには、果心居士が処刑される際に、ネズミに変じたエピソードの種明かしも料理ネタ絡みなのだが、ここでレビューするとネタバレがすぎるので、ここは本書に確認いただきたい。
さて、物語の方は、これからの展開で貴重な役割を果たしていくであろう「毛利輝元」が顔をだすところで次巻に続くんである。
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