猫ハンドのお涼さまはいかが ー 田中芳樹・垣野内成美「女王陛下の招き猫ー薬師寺涼子の怪奇事件簿」(アフタヌーン・コミックス)

2018年11月15日木曜日

薬師寺涼子の怪奇事件簿

t f B! P L

 本巻は「魔境の女王陛下」の前の作品であるらしく、海外が舞台となることが多いこのシリーズには、珍しく「国内」しかも東京都が舞台である(もっとも東京都下の「島」なのだが)。ただ、この島は「猫だらけ」の島という設定で、女王陛下版「化け猫」の物語といったところであろうか。


【収録は】


第1話 波の果は猫の島

第2話 鈴々・猫々・オッドアイ

第3話 一難去ってまた一猫

最終話 夜の夢に鈴は鳴る

番外編 休日も!おまわりさん


となっていて、第1話から最終話までは、東京都の寝掛島の「ネコロジー祭」というイベントで起きた殺人事件に、我らが「お涼さま」が捜査に乗り出す話。


番外編は、「女王陛下の招き猫」とは関係なくて、日頃、お涼さまの下僕として日夜働いている泉田警部補の、ゆるい休日の一コマが描かれている。


【あらすじと注目ポイント】


本編の「女王陛下の招き猫」での事件の解決のキーは、この島に残る「唐羽長者の伝説」の長者の家とされている廃墟。島中が猫な中で、このハイ廃屋も猫の住処となっているのだが、ここに、猫を愛していると主張するクローリー・ロワイヤルという外人や片目を隠した少年やらが現れて、怪奇仕立てを整えている。

物語の展開は、殺人事件の犯人を、いつものメイド二人組が片付けるあたりで終わりかな、と思わせておいて、実は本題である、「唐羽長者」が隠したといわれる財宝探しへと誘導する筋立てである。

注目すべきは、物語の初めの方で、お涼さまが島に上陸してすぐの時。

猫ハンドの屋台の店員の代理として、お涼さまが、猫ハンドで、あれこれお戯れのところは、なんとも魅力的でありますよ。室町警視ファンは、彼女が猫アレルギーで、くしゅんくしゅんするところに、ニンマリするかもしれんですね。


番外編の方は、泉田警部補と室町警視の清く正しい図書館での休日に、お涼さまが乱入して邪魔立てをする話。当方はお涼さま派なのだが、この話では室町警視を応援したいですな。


【レビュアーから一言】


今回は、「猫の呪術」とか、「オッドアイ」の猫とか、怪奇ものの道具立ては揃えてあるのだが、軽いタッチで仕上げてあって、ホラー色は薄い方である。ただ、このシリーズの、特にコミック版の楽しみは、ストーリーと同列で、お涼さまの姿を愛でるところにあって、そのあたりはきちんとおさえてあるので、安心してお読みください。

このブログを検索

ブログ アーカイブ

ラベル

3月のライオン (7) 7人のシェイクスピア (17) etc (29) アウトドア (6) あおのたつき (9) あかね噺 (4) アサギロ (13) アド・アストラ (6) アルキメデスの大戦 (20) アルテ (9) イサック (9) イノサン (9) ヴィンランド・サガ (10) ヴラド・ドラクラ (4) グルメ (12) こざき亜衣 (2) スポーツもの (1) つぐもも (9) ハコヅメ (8) パパと親父のウチご飯 (14) ハンティング (3) ヒストリエ (11) フィッシング (7) ふしぎの国のバード (9) フラジャイル (14) プリニウス (12) ブルーピリオド (5) へうげもの (20) ベルセルク (13) ミステリと言う勿れ (8) ゆるキャン△ (12) リアル (4) ローズ・ベルタン (9) 阿・吽 (3) 医療コミック (8) 応天の門 (18) 乙嫁語り (12) 怪獣8号 (4) 鬼滅の刃 (1) 宮下英樹 (3) 極東事変 (2) 軍靴のバルツァー (9) 高橋葉介 (3) 高橋留美子 (2) 山と食欲と私 (11) 重版出来 (7) 諸星大二郎 (2) 信長を殺した男 (1) 信長協奏曲 (6) 新九郎奔る! (5) 推しの子 (5) 星野之宣 (22) 戦記もの (5) 惣領冬実 (1) 葬送のフリーレン (6) 達人伝 (7) 断頭のアルカンジュ (4) 賭ケグルイ (28) 土山しげる (4) 東村アキコ (10) 卑弥呼 (8) 舞妓さんちのまかないさん (7) 紛争でしたら八田まで (7) 碧いホルスの瞳 (1) 亡国のマルグリッド (4) 忘却のサチコ (7) 幕末 (11) 満州アヘンスクワッド (9) 矢口高雄 (2) 薬師寺涼子の怪奇事件簿 (10) 憂国のモリアーティ (10) 歴史コミック (37)

自己紹介

自分の写真
日本の人口最少県の住人。なりわいは行政書士。読書好き、ガジェット好きの昭和人です。

QooQ