ローマに帰還してから鬱屈が貯まるとともに、持病の喘息も悪化してきたプリニウスが、フェリクスを伴に、再びローマを離れて旅にでるのが今巻。
旅する方向は「カンパニア」の方向とあるので、今でいえばナポリの方向である。ナポリの近くには火山噴火の火砕流で滅んだ「ポンペイ」があり、この物語の底に流れる「ヴェスヴィオ火山の噴火」が時折顔をだす展開ですね。
【構成と注目ポイント】
構成は
15.ガイア
16.ウニコルヌス
17.ブッルス
18.アンナ
19.アッピア
20.カンパニア
21.セリヌム
となっていて、エウクレスが惚れていた、ブリタニアの女奴隷・プラウティナの行方がわからなくなる。堕胎に失敗して別の場所に運ばれた、と同僚の女は言うのだが、まあ嘘だろうな。この時、幻想ながら、「博物誌」に描かれた「ドラゴン」や頭は人間、体は獅子、尻尾はサソリの怪物「マンティコーラス」といった怪物の姿を見ることができます。
プラティナと一緒にいる「ウニコルヌス」(ユニコーン)も描かれているのだが、けっこうピュアな画像なので、原書で見てください。ただ、「ウニコルヌス」(ユニコーン)は「処女を見つけると近寄ってきて、その膝の上に頭を乗せ、すっかり大人しくなる」「処女ではないとわかった場合は喰い殺されてしまう」とあるのだが、「処女の娼婦」ってのは実在するのかどうか・・・。
物語の後半、カンパニアでは、水道から水がでなくなったり、牧草地に突然温泉が湧き出たり、さらには、その牧場で「羊」が大量死したり、という変事が続けて起きる。まあ、なにかの怪異というのではなくて、急激な火山活動の活発化によるものなのだろうな、と推測されるのだが、これがどういう大事件になっていくのかは、次巻以降の展開ですな。
ちなみに、カンパニアで頭髪が不自由なフェリクスに、プリニウスが「タツノオトシゴ」を使った増毛剤をアドバイスするのだが、効き目があるかどうかは不明である。なにせ、フェリクスが使ったかどうかわからないからね。
【レビュアーから一言】
ところどころ顔をだすのが、いろんな職業で活躍している女性の姿。プリニウスの孫・ガイウスの家庭教師に選ばれるのは、アテナイ出身の「リュケイオン」で学んだという「アンナ」という女性であるし、後半のカンパニアでは、水道の修理に来ているのが、第二巻でも登場した女性の水道技師である。
ローマでは、政治に絡んでくる女性が目立つのですが、こうした実業系の知性派は珍しいですね。
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