アシリパは先祖の残した砂金を発見するが・・ = 野田サトル「ゴールデンカムイ」29 (第279話~第290話)

2019年9月21日土曜日

ゴールデンカムイ

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 アイヌの娘「アシリパ」と日露戦争の生き残りで「不死身の杉元」と呼ばれた杉元佐一たちが、極東アジアを舞台に、幕末の新選組の生き残りの土方歳三や日露戦争で頭蓋骨の上半分を失った情報将校・鶴見中尉率いる第七師団を相手にアイヌ民族が明治政府打倒のために集めていた大量の金の争奪戦を繰り広げる明治のゴールドラッシュストーリー『野田サトル「ゴールデンカムイ」(ヤングジャンプコミックス)』の第279話から第290話まで。単行本的には第28巻の最終番から第29巻までに収録されています。


第281話から290話までのあらすじ


金塊の隠し場所の謎を解いた、アシリパたちは函館に到着します。ここで、土方や白石は五稜郭で第七師団の兵士に遭遇。同じように謎をといた鶴見から各地の部下に集合命令が出ている様子です。。


幕末にここで激戦を繰り広げていた土方の指揮で、函館戦争以前から建てられていた兵糧庫の床下を掘るのですが、なかなか「お宝」には行き着きません。ガセネタではないかと詰め寄る杉元たちに、土方は自分に彫られていた「神」の文字の刺青が重なっていたのが、ここであったと秘密を打ち明けます。そして、元兵糧庫の床下を掘り進めるアシリパたちはとうとう一つの木箱を掘り当てます。


箱の中の珪藻土に埋められている動物の胃袋を掘り出し、その中を見ると一冊の冊子が封入されています。そこに入っていたのは「土地の権利書」。かつて幕末に建国された「蝦夷共和国」の榎本武揚から、北海道各地の開拓の進んでいない広大な土地の権利を金塊で買った契約書です。アシリパたちアイヌに、彼らが自分たちの文化とカムイを残すための広大な森と土地が昔の先祖によって遺されていたわけですね。


現物の黄金はすでに土地の証文にかわったいたのかと残念がる白石たちに、ここでもう一つの事実がもたらされます。土地の購入には金塊の評価額の半分の一万貫しか使われておらず、残りの一万貫がどこかに隠されているはず、ということで俄然、白石は張り切り始めますね。


しかし、ここで、五稜郭に対し、鶴見中尉たち第七師団の攻撃が始まります。彼らは、大湊要港部の駆逐艦を出動させ、函館まで航海し、海上から、五稜郭に対し艦砲射撃を仕掛ける作戦です。


この攻撃をなんとか中止させるため、永倉新八は単身、鶴見中尉のもとを訪ね、金塊は無く、土地の権利書が残されていたことを告げます。この権利書と引き換えに、土方やアシリパほか皆の生命を助けてくれるよう頼みます。しかし、鶴見は、永倉の真の狙いは権利書を盾に艦砲射撃を封じた上で、五稜郭に戻り、土方とともに戦うつもりであることを見抜いていて、これも不首尾に終わります。


一方、五稜郭内では、永倉の説得中、しばらくの間、艦砲射撃が止んだ隙に脱出することも可能となり、アシリパは脱出することを勧められるのですが、彼女は皆と一緒に残留することを選びます。この時に、門倉が戸をあけたせいで、一枚の刺青人皮が風に吹かれてとび、刺青人皮を重ね合わせた「五稜郭」の上に落ちます。


舞い上がったのは門倉の刺青人皮だったのですが、それが重なりあった位置には、馬用の井戸があったことを土方が思い出します。そして、この井戸の底に降りた杉元とアシリパが見たものは大量の革袋。そして、その革袋に入っていたものはなんと残りの・・という展開です。


アイヌの未来を担保する広大な土地の権利書と残りの砂金を見つけたアシリパたちなのですが、とうとう、第七師団による五稜郭への艦砲射撃が本格化します。気球を使った観測で堡塁を正確に把握し、そこに集中的に砲弾を集め破壊した後、歩兵による突貫攻撃が始まります。

第七師団を迎え撃つ、土方たちとソフィアのパルチザンなのですが、装備と兵員の物量差にじわじわと圧迫されていきます。そこで、永倉たちが持ち出したのは・・・ということで、箱館戦争当時の遺産が出現していきます。


レビュアーの一言


アシリパが手に入れた「土地の権利書」の対価として榎本武揚側に支払われた一万貫の砂金は、本シリーズではそのまま明治新政府の隠し財源となったような推理を「第287話 門倉の馬」で鶴見中尉がしています。

明治初期、財政難に苦しんでいた明治政府は、その懐事情の苦しさにもかかわらず、帝都東京の開発、鉄道敷設、横浜・札幌などでのビール工場の建設など重要な基盤整備を進めたのですが、その資金として転用されたのでは、と考えているようです。

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