「推しの子・アクア」は「有馬カナ」と「黒川あかね」を覚醒させる=赤坂アカ×横槍メンゴ「推しの子」5〜7(ヤングジャンプコミックス)

2023年8月13日日曜日

推しの子

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 地方都市の寂れた診療所に勤務する産婦人科医のもとで売れっ子アイドル「星野アイ」が産み落とした男女の双子「アクア」と「ルビー」。妊娠と出産を隠してアイドルを続けていたシングルマザー・アイドル「アイ」が20歳の誕生日前に、ファンによって殺害されたことから、メジャーになることを目指した母親の夢を叶えるとともに、犯人探しと復讐に乗り出していく異色の転生系芸能界コミックが『赤坂アカ×横槍メンゴ「推しの子」(ヤングジャンプコミックス)』シリーズの第5弾から第7弾。

前巻までで、「星野アイ」の男の子「アクア」はネットドラマの出演がきっかけで恋愛リアリティー・ショーに出演し芸能界への足がかりをつくり、女の子のほうの「ルビー」は母親の属していたグループ名を冠した「新・B小町」を結成し、アイドルとしてスタートしたのですが、今回は、それがさらに発展して、2.5次元の舞台へと進出します。


あらすじと注目ポイント


第5巻 原作者の大反対で潰れそうな舞台をアクアはどう救う?

第5巻の冒頭は、「アクア」が東京都内で繰り広げられる若者グループの抗争と連帯を描いた王道バトル漫画「東京ブレイド」の舞台版の稽古に有馬かな、黒川あかねとともに加わるところから始まります。外から見ると、リアリティ・ショーの実績を使って舞台俳優へのステップアップを目指すように見えるのですが、アクアの目的は黒川あかねの属する「劇団ララライ」の代表に近づいて、彼がアイを殺した犯人かどうかを確かめることにあります。

そんなこととは知らない「あかね」は、「B小町」のアイドル経験で一歩成長した「かな」の演技に圧倒されるばかりです。さらには、彼女の演ずる役の舞台脚本のイメージが原作と違っていて違和感がおさえられませねん。それを脚本家たちに訴えるのですが、新人女優のいうことなのであっさり無視されそうになるのですが、そこに漫画の原作者・アビ子が舞台見学にやってきて脚本を読みなり、即座にダメ出し、しかも脚本全部のダメ出しをしてきて・・という展開です。

原作漫画家によって降板させられてしまった脚本家のピンチをアクアがどう助け出すか。が本巻のポイントです。
彼はアビ子の師匠格で、以前出演したネットドラマ「今日あま」の作者・吉祥寺に接触し、アビ子に別の舞台のチケットを渡し、生の舞台を見させた後の解決策は・・という展開です。

少しネタバレしておくと、原作者と脚本家がガチンコ勝負をした結果、仕上がった脚本は、役者に高い演技力を求めるもので、「あかね」や「かな」そしてあかねと同じララライ劇団の天才役者・姫川との厳しい稽古が続くのですが、そこで役者の感情を強く出す感情演技を求められたアクアは、彼のアイを救えなかったという幼少期のトラウマが蘇ってきます。


第6巻 書き直した舞台脚本は、役者たちを覚醒していく

第5巻で過去のトラウマが蘇り、パニック発作を起こしてしまったアクアは、「あかね」に頼んで幼少時に出演した映画の監督・五反田の自宅へ連れていってもらい、そこで発作の収まるのを待ちます。
ここで五反田から、「アクアが幼少時に酷い事件に巻き込まれた」という情報を聞いたことから、「あかね」は彼女が調べた「星野アイ」の裏話とアクアやルビーとの関連に気づいていくこととなります。

そして「あかね」と「かな」の役者バトルは、ララライ劇団で「あかね」の先輩俳優・姫川とアクアを巻き込んで、舞台上での演技対決へと進んでいくのですが、ここで見逃してはいけないのは、以前、アクアやかなとともにネットドラマに出演していたモデル兼(大根)役者の鳴嶋メルトです。
彼が覚醒していく過程はけっこう感動的です。

そして、後半部分は、「有馬かな」に憧れて役者の道に進んだ「黒川あかね」が本気で演技の戦いを挑んでいきます。


第7巻 「アクア」の仕込みによって、「有田かな」と「黒川あかね」が”化ける”

圧倒的な演技力をもって「かな」に挑んでいく「あかね」だったのですが、「かな」はそれに対抗することなく「受け」の演技で対応します。彼女は、子役時代に人気絶頂から凋落してきた経験から、傷つくの恐れて、一歩引いて、相手を光らせる演技に逃げ込んでいます。

演出や監督からすると使い便利の良い役者なのですが、この殻を破らせるため、アクアが今回も仕掛けを始めます。
彼は、「かな」との絡みのシーンで「アドリブ」を大量にぶっ込んで彼女の覚醒を待つのですが・・という展開です。

そして、「有馬かな」の覚醒は、「黒川あかね」もさらに上のステップへと押し上げていくこととなります。

後半部では、「アクア」と「ルビー」の父親についての新情報がでてきます。彼らのDNAと舞台で一緒だったララライ劇団の俳優「姫川大樹」のDNAが一致したことから、彼の父親がアクアたちの父親であった可能性がでてくるのですが・・という展開で詳細は原書のほうで。一旦、解決か、と思わせるのですが次巻以降でその裏筋が活きてきます。


レビュアーの一言

今回は、舞台を通じて、アクアが幼少時のトラウマに直面しています。
「黒川あかね」によって、そのトラウマから解放されるか、といった展開もちらとはあるのですが、やはり、自らの感情を封印して父親探しと母親・星野アイ殺害の犯人探しを進めることになっています。、

なまじ本来の自分に還るよりも、封印していたほうが彼の推理力と策謀のちからが冴えていく感じがするのは私だけでしょうか。




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