「推しの子」は恋愛リアリティーショーの出演者を炎上から救う=赤坂アカ×横槍メンゴ「推しの子」3〜4(ヤングジャンプコミックス)

2023年8月12日土曜日

推しの子

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 地方都市の寂れた診療所に勤務する産婦人科医のもとで売れっ子アイドル「星野アイ」が産み落とした男女の双子「アクア」と「ルビー」。妊娠と出産を隠してアイドルを続けていたシングルマザー・アイドル「アイ」が20歳の誕生日前に、ファンによって殺害されたことから、メジャーになることを目指した母親の夢を叶えるとともに、犯人探しと復讐に乗り出していく異色の転生系芸能界コミックが『赤坂アカ×横槍メンゴ「推しの子」(ヤングジャンプコミックス)』シリーズの第3弾と第4弾。


あらすじと注目ポイント


第3巻 恋愛リアリティ・ショーで「推しの子・アクア」は女優を炎上騒動から助け出す。

前巻で「アクア」は母親を殺した犯人の情報集め、「ルビー」は母親の目指したメジャー・アイドルを目指すため、芸能人の多く通う「陽東高校」へ入学した二人なのですが、アクアは「星野アイ」と関わりのあったTVプロデューサー・鏑木のDNAが調べられるものを入手するため、元天才子役「有馬カナ」と出演したネットドラマが注目され、恋愛リアリティ・ショーへの出演が決まります。

DNA鑑定で鏑木が自分の父親でないことがわかったのですが、彼からこの番組への出演の代償に「星野アイ」のプライベート情報の提供をオファーされたため仕事依頼を請けたという経緯です。

このリアリティ・ショーにはファッションモデル、女優、ダンサー、ユーチューバー、バンドマンと多彩な人が出演しているのですが、「上昇志向」の強い人や、今の仕事の「閉塞状況」をなんとかしたい人とか出演理理由はいずれも結構仕事モードですね。

その影響もあって、人気が伸び悩んでいる出演者の一人、女優の「黒川あかね」が誤って、ファッションモデルの「鷲見ゆき」の顔を引っ掻いてしまいます。あわてて謝罪した「あかね」だったのですが、ネットでは大炎上をおこしていきます。

そして、炎上騒動がどんどん加熱していく中、思い余って飛び降り自殺を図ろうとする「あけね」を止めた「アクア」は、「あかね」の女優生命を守り、炎上を沈静化するためある手段をとるのですが、それは「リアリティー・ショー」に牙を向けるやり方で・・・という筋立てです。

「あかね」は炎上からの復帰を通じて、アクアとの距離を縮めていくとともに、彼の母親「星野アイ」の情報を集めていくのですが、そこである秘密の存在に気づきます。そして、アクアのほうも星野アイ殺害犯の追及をする上での「あかね」の利用価値を見出していて・・という展開です。

一方、「ルビー」のほうは、新たに「苺プロダクション」所属となってしまった「有馬カナ」と一緒にアイドル・グループを結成し、売出しを始めます。まずは有名ユーチューバーの番組に出演することとなるのですが、素人の「ルビー」と、すでに人気の衰えた元子役「有馬カナ」の前途はなかなか厳しそうです。


第4巻 「推しの子・ルビー」のアイドル活動、本格稼働

前巻で「アクア」の出演した恋愛リアリティ・ショー「今からガチ恋始めます」は今巻の冒頭で収録が終わり、メンバーも解散するのですが、出演していたユーチューバー「MEM」が元々アイドル志望だったことを知り、妹「ルビー」と「有馬カナ」が結成している「新生・B小町」のメンバーにスカウトします。

この新メンバー加入で、今まで素人プロデュースだった「新生・B小町」の映像づくりは大きく進歩していくことになります。

そして、正式デビューとなる「ジャパン・アイドル・フェス」への出場を前にして、急遽、センター決めをすることになるのですが、ここで、子役時代に出した楽曲でトラウマを抱えている「有馬カナ」は頑なにセンターを務めるのを断るのですが、他のメンバーの「ルビー」と「MEM」にはセンターとしての必須条件である「歌唱力」が全く無く・・という筋立てです。

やむなくセンターとなった「カナ」なのですが、子役として人気絶頂となり、その後年齢が上がるにつれて人気も急降下し、それとセットで両親の中も壊れていった経験をもつカナは、正式デビューを前にしてかなり怖気づいています。

そんな彼女をステージに押しあげたのが「ルビー」で、ステージ上で「ルビー」と「MEM」を声援するファンの前に気後れする「カナ」を再びセンターに立たせたのは兄の「アクア」で・・という展開です。

最後半部分では、次巻以降の「2.5次舞台編」の前振りとなっています。子役時代からの「黒川あかね」と「有馬かな」のバチバチが描かれているのですが、役者の「業の深さ」が垣間見えます。


レビュアーの一言

第3巻では、恋愛リアリティ・ショーの出演者の行動が炎上を起こし、彼女の生活に手酷い影響を及ぼすところが描かれています。
いまや、企業だけでなく個人も「炎上」の神経質にならないといけない時代で、ネットで炎上対策をコンサルティングしている会社によると炎上したときは

①なによりもまず落ち着く
②すぐ「削除」が必ずしも好いとは限らない
③謝罪も全体の方針が決まってから
④謝罪する場合は「何に対して謝罪するかを明確にする」「事実を客観的に伝える」「再発防止策を明確にする」
⑤静観・ホールディングコメントも検討する
⑥過激な批判記事の場合は法的措置も検討する

といったことが対処策として挙げられています。

「アクア」は
・あかねの自殺未遂をマスコミにリークして、ネット世論を二分する
・放映されてないメンバーの日常をSNSにアップして、あかねの「悪役像」が運営による「仕立て」であることを強調する
といったやり方で「炎上騒動」を沈静化させたわけで、通常の炎上対策よりもっと踏み込んだやり方といえるでしょうね。


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