獅子王戦挑戦者決定トーナメントは島田一門が食い合う対局が続く=羽海野チカ「3月のライオン」16~17(ジェッツコミックス)

2023年10月23日月曜日

3月のライオン

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 両親と妹を交通事故で失い、プロ棋士に家に引き取られ、孤独を抱えながら成長し、中学生でプロ棋士となった少年「桐山零」を主人公に、彼が下町でもんじゃ焼き屋を経営する祖父とともに暮らす「あかり」「ひなた」「モモ」の三姉妹と出会い、さらに彼を取り巻く高校の元担任教師・林田や、同期のライバル・二海堂などの棋士仲間と接しながら成長していく、ハートフル将棋マンガのシリーズ『羽海野チカ「3月のライオン」(ジェッツコミックス)』の第16弾~第17弾。


あらすじと注目ポイント


第16巻 「零」は穏やかで暖かな「新年」を川本三姉妹と過ごす

第16巻の構成は

Chapter.167 冬の鈴音
Chapter.168 12月の雨①
Chapter.169 12月の雨②
Chapter.170 新しい年①
Chapter.171 新しい年②
Chapter.172 新しい年③
Chapter.173 新しい年④
Chapter.174 冬の匂い①
Chapter.175 冬の匂い②
Chapter.176 冬の匂い③
Chapter.177 冬の匂い④
Chapter.178 道〜みち①
Chapter.179 道〜みち②

となっていて、前半の「12月の雨」ではシリーズではじめて宗谷名人の家と祖母・住み込みのお手伝いさんが登場します。作者のあとがきによるとイメージ自体は以前から温めてあったようですが、実際に登場するまでに時間がかかったとのことです。

以上に静謐を愛し、人付き合いを拒む彼がなんとか実社会と折り合いがついているのも、この祖母との暮らしがあってこそ、のようです。

中盤の「新しい年」と「冬の匂い」では、新年を川本家で過ごし、その勢いで対局の準備を始めている」零」が描かれます。

人間らしい暮らしを得た「零」は静かな充実感に満たされているようなのですが、彼がここからどの方向へ棋士として変化していくかを予兆させるようなところです。

この段階では、獅子王戦の挑戦者決定トーナメントのうち、5組優勝者・二海堂と6組優勝者・重田との同じ研究会同同士の対局は終わっていて、定石をほぼ無視して力技で対決する大乱戦となtったようですが、辛くも二海堂の勝利に終わったようです。

そして、次は、二海堂と4組優勝者の「零」との対局なのですが、いつもなら冷静な滑り出しをする「零」も、二海堂vs重田戦を再現するかのような「中飛車」を繰り出し・・という展開です。


第17巻 獅子王戦挑戦者トーナメントで零は二海堂を下す

第17巻の構成は

Chapter.180 道〜みち③
Chapter.181 道〜みち④
Chapter.182 道〜みち⑤
Chapter.183 道〜みち⑥
Chapter.184 道〜みち⑦
Chapter.185 道〜みち⑧
Chapter.186 あかりちゃんの大冒険①
Chapter.187 あかりちゃんの大冒険②
Chapter.188 あかりちゃんの大冒険③
Chapter.189 遠い音楽①
Chapter.190 遠い音楽②
Chapter.191 遠い音楽③
Chapter.192 遠い音楽④
Chapter.193 遠い音楽⑤
Chapter.194 あかりの負銀座物語2〜圧力の彼方に

となっていて、前半の「道~みち」は、前巻に続いての獅子王戦挑戦者決定トーナメントでの「零」vs「二海堂」戦です。

滑り出しは、二海堂vs重田戦に負けず劣らずの力技の勝負が始まるかと思わせたのですが、実は零の「先読み」が効いた作戦が展開されています。幼いころの零との対戦の想い出は反芻しながら指す二海堂の様子をみてやってくださいな。

そして、長丁場の対局で、二海堂の体力は限界に近づき、対局後は病院に担ぎ込まれ、入院生活をおくることとなります。しかし、この対局によって二人の仲は一層緊密になったようです。

なかほどの「あかりちゃんの大冒険」では、「三日月堂」近くの布団屋の改装現場に、お茶菓子を届けることになった「あかり」だったのですが、ここから彼女の恐るべき商才が発揮されていきます。お好みの「タレ」に団子を漬けて食す「じゃぼん団子」や「串玉こんにゃく」といった新しい名物を生み出したほか、近くの店と共同して新しい名所を生み出しています。

後半の「遠い音楽」は、零や二海堂の兄貴分の「島田八段」が主人公となります。若いころに恋人と別れてまでして、将棋の道の再び戻った彼なのですが、時折、それを後悔しているらしい自分に気が付き、さらに、後ろから追いかけてくる零や二海堂といった若手の台頭にも心騒ぐ毎日のようです。

ただ、零のリア充なこの頃を見せられて、彼が人間らしくなってきちゃことを喜ぶ半面、新たな闘志を掻き立てられているようです。二人の対局がどうなるかは、次巻以降の展開ですね。


レビュアーの一言

今タームでは、「ひなた」に告白して、リア充の生活も手にいれた「零」が棋士としても新たな局面に至った様子が描かれていて、一応、今のところは将棋のほうにも良い効果が出ているようです。

ただ、難敵との対局はこれからが本番なので、それがいつまで継続できるかは予測できないところです。


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