中世ヨーロッパの架空の王国・ルナリアの王女として生まれながら、故国ルナリアは隣国のロレンディアに攻め滅ぼされため、幼女の頃から身分を隠して亡命生活を送らざるを得なかった「マルグリット」を主人公としたヨーロピアンロマン・「亡国のマルグリット」シリーズの第7巻〜第8巻
あらすじと注目ポイント
第7巻 マルグリッドは前国王の王女であることを証明するが、前途多難
ルビニス伯の支配下にある金鉱山をルナリアの国民のもとへ取り戻す動きをはじめてマルグリッドなのですが、一時的な占拠に成功にとどまらず、ルビナス伯側の兵士から守り抜くためにはルナリア本国の援軍の派遣が必須となります。この目的を果たすため、マルグリッドは「昇天祭」の行われる領主館に忍び込み、叔父の現ルナリア伯や民衆の前で、前国王の娘であることを告白します。
最初は偽物扱いをしようとしていた叔父のルナリア伯だったのですが、マルグリッドが父から贈られた指輪を見せ、さらにそれを使って祭壇から隠されていた王笏を取り出すと、さすがにごまかしもできず、マルグリッドを本物と認め、援軍の派遣を承認します。まあ、内心ではなにか企んでいるようですが、ここではまだはっきりしないところですね。
派遣された援軍によって、残留していたリビニス伯の兵士は追い払われ、金鉱山はルナリアの民衆のもとへ還ってくることになります。
当然、この事態はロレンディア本国へ報告されます。金鉱山の操業者は不問にふされることになるのですが、問題となったのは11年前、ロレンディアに反逆を企んだ(とされている)前ルナリア王の娘の罪はどうなるか、ということ。彼女も反逆者の縁者も反逆者と同じ罪を負うというロレンディアの法に従えばと扱われば死罪となるのですが・・といった展開です。ここでは、ロレンディアの宮廷内の勢力争いがマルグリッドに幸運をもたらすのですが、詳細は原書のほうでどうぞ
ルナリアの前王女としてうけいれられたマルグリッドは、以前から取り組んでいた毛織物業の再建に取り組むのですが、すでにルナリアの統治を担ってきたアルニラム、フォーマルハウトなどの旧臣たちに阻まれうまくいきません。マルグリッドは、従兄弟のフランソワを連れ出して、国内の毛織物業者たちを訪ね、打開策を練っていくことになるのですが、どうやら長期戦の気配は漂ってきています。
こうした動きをルビナス伯が黙認しているはずもなく、彼は自分の息子をルナリアへ赴かせ、マルグリッドに求婚させます。ロレンディアで一、二を争う勢力家であるルビナス伯家と親戚となることに叔父の現ルナリア伯は大喜びで婚姻を進めようとします。邪魔者を取り込んでしまおうとするルビナス伯の企みにマルグリッドは抵抗しようとするのですが、「蟷螂の斧」の状態で・・という筋立てです。
ネタバレしておくと、ルナリアが反乱を起こそうとしている、というデマをうまく活用したルネ王子の作戦がうまくいくこととなりますが、詳細は原書で。
第8巻 マルグリッドはロレンディア宮廷でルネと再会するが、まさかの塩対応
ルネ王子と婚姻することとなって、息子とマルグリッドを結婚させて、取り込んでしまおうと考えていたルビニス伯の陰謀はつぶれたのですが、故国を滅ぼしたロレンディアの王子と結婚することにマルグリッドの心中は複雑なものがあります。図書室で悩みこむマルグリッドに対し、ルナリアの実質的な統治者であるフォーマルハウト老は
マルグリッド姫、今、必要なのは大局を見ること
過去に縛られていては何も為せません
どうすることがルナリアにとって最善か・・
今一度よく考えてみてください
と忠告します。さて、これの意味するところは・・というところですね。
そして、様々な思いを胸にマルグリッドはロレンディアの宮廷へと出向きます。途中、ルビナス伯の妨害行為がいくつかあるのですが、ここは大きな問題なくクリアしています、
問題がおきるのは宮廷についてから。田舎町であるルナリアからやってきた王女ということで、ロレンディアの貴族の女性たちの冷たい視線は当然のことながら、王子となったルネと再会するのですが、彼の態度はマルグリッドとは初対面であるかのような冷たい態度です。マルグリッドは、ルネの学友として使えていたジュリーやレオを通じて、ルネに会おうとするのですが彼は「君とは会いたくなかった。目の前にいられると不愉快だ」と冷徹な言葉を彼女にかけ・・・という展開です。
この状態で落ち込む心をなんとかするため、マルグリッドはジュリーとともに市場へ出かけます。ここで幼女の誘拐騒動にまきこまれ、誘拐されそうになった異国の幼女を救出するのですが、なんと彼女は隣国オンブロディア国の王女・アリアであることが判明し・・と展開していきます。
彼女はオンブロディア国の跡目相続の争いに巻き込まれないように従兄のアルシュによって国外に避難していたのです。そして、これに目をつけたのが、王子妃争いで不利になったルビナス伯で、という筋立てです。
レビュアーのひとこと
8巻の最後のほうで、権力基盤が危うくなってきたリビニス伯が小国の王女に目をつけて、皇太子の妃選びに主導権を握ろうとするのですが、この小国が近くの異教徒の大国と同宗教らしきあたりが気になりますね。
たいていの場合、こういく奇策は大国の介入を招いて、取り返しのつかない戦乱を呼び込むことが多いのですが、このシリーズではどうなることでしょう


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